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産業医面談とは?呼ばれる理由・何を話す・クビになるかを現役産業医が解説

2026 10/13
産業医関連
2026年9月21日2026年10月13日
産業医面談とは何かを解説する記事のサムネイル

「産業医面談を受けてくださいと言われた。何を話すんだろう」「呼ばれたということは、問題社員だと思われているのか」「面談を受けたらクビになるのでは」——面談の前に、こうした不安を口にされる方は少なくありません。

先に結論です。産業医面談は、あなたの健康状態を確認して、安全に働けるように「就業上の配慮」を行うための場です。評価や処分の場ではありません。呼ばれる理由は大きく5種類(休職・復職/体調の相談/高ストレス/長時間労働/健康診断の有所見)、1回の時間は20〜30分が目安です。面談を受けたことを理由にクビになることはなく、現場の実感は逆で、クビにならないように受けるのが産業医面談です。ただし、評価が下がらないことと、何も制限がかからないことは別です。病気を悪化させないための就業制限や休業がかかることはあります。

この記事は、顧問先で日々面談を行っている現役産業医の立場から、産業医面談とは何か、呼ばれる理由と多い順、時間の目安、何を話すか、会社に伝わる範囲、クビになるのか、断れるのかを、面談を受ける本人向けに1本にまとめた入口の記事です。種類ごとの詳しい話は、本文中の各記事へ進んでください。


目次

産業医面談とは——評価の場ではなく、安全に働くための調整の場

病院の診察(主治医)と産業医面談の違いを、目的・すること・結果の行き先・費用で左右に比較した図。産業医面談の出口は評価ではなく就業上の配慮

産業医面談とは、会社が選任した産業医(または会社が依頼した医師)が、従業員と1対1で健康状態と働き方を確認し、必要であれば会社に「就業上の配慮」について意見を述べるための面談です。病院の診察とは目的が違います。

病院の診察(主治医)産業医面談
目的病気の診断と治療健康状態を確認し、安全に働けるかを判断する
すること検査・診断・処方体調と仕事の状況の確認、助言、会社への意見
しないこと—診断・治療・処方はしない(必要なら受診をすすめる)
結果の行き先本人本人と、就業上の配慮に必要な範囲で会社
費用本人負担(保険診療)会社負担(本人は無料)

「面談の最初に、必ず言っている一言はありますか」と聞かれることがあります。正直に言うと、特別「これ」と決めて言っている一言はない、というのが現実です。相手の状況は毎回違うので、決まり文句にするのは難しい。

ただ、前提として話していることはあります。「この面談は、就業上の配慮を目指している。危険のない、安全に働ける業務を目指していますよ」ということです。面談の出口は「評価」でも「処分」でもなく、「どうすれば安全に働き続けられるか」。ここがすべての産業医面談に共通する土台です。

産業医は「会社の味方」でも「本人の味方」でもなく、医学の立場から「この人がこの仕事を安全に続けられるか」を見る役割です。産業医には勧告権があり、会社は産業医の意見を尊重することが求められています(労働安全衛生法第13条)。

産業医面談に呼ばれる理由は5種類——いちばん多いのは休職・復職

産業医面談に呼ばれる理由5種類を多い順に並べた図。休職・復職の面談、体調の相談、高ストレス者の面接指導、長時間労働の面接指導、健康診断の有所見のきっかけと根拠

「呼ばれた=問題社員」ではありません。産業医面談には種類があり、それぞれ根拠と目的が決まっています。私の顧問先で多い順に並べると、休職・復職の面談が明らかに多く、次に体調の相談、高ストレス、長時間労働、健康診断の有所見の順です(会社の業種や規模で順番は変わります)。休職中の連絡や復職後のフォロー面談の間隔は休職中の社員への連絡はどこまで?窓口・頻度・復職後のフォロー面談の間隔で解説しています。

多い順面談の種類きっかけ根拠詳しい記事
1休職・復職の面談休職に入るとき、復職を希望するとき、復職後のフォロー会社の就業規則・復職の手続き(厚生労働省「職場復帰支援の手引き」)復職判定の3つの罠(人事向け)
2体調の相談本人の希望、上司や人事からのすすめ健康相談(労働安全衛生法第13条の3、同規則第14条)—
3高ストレス者の面接指導ストレスチェックで高ストレスと判定され、本人が申し出た労働安全衛生法第66条の10ストレスチェックの面談で何を話す?
4長時間労働の面接指導時間外・休日労働が月80時間を超え、疲労の蓄積があり、本人が申し出た労働安全衛生法第66条の8長時間労働の面接指導とは?
5健康診断の有所見健診で血圧・血糖などに所見があり、働き方の確認が必要労働安全衛生法第66条の4・第66条の5・第66条の7健康診断の事後措置とは

どの種類でも、目的は同じです。健康状態を確認し、必要なら残業の制限・業務の調整・受診のすすめといった配慮につなげる。呼ばれたこと自体はマイナスの評価ではなく、会社が健康管理の手続きをきちんと踏んでいるということです。受診をすすめるときに、産業医が病院あての手紙(紹介状)を書くかどうかは産業医は紹介状を書ける?で解説しています。

産業医面談の時間はどのくらい?——20〜30分で1コマが目安

産業医面談の時間の目安を示す図。フォローアップは10分ほど、標準的な面談は20〜30分で1コマ、心の問題や休職・復職の判断では1時間かける産業医もいる

私の場合は、20分から30分で1コマという形で時間を取るようにしています。ただ、これは産業医のスタンスと、そのときの状況で変わります。

場面時間の目安内容
フォローアップ(経過の確認だけ)10分ほど前回からの体調の変化、配慮が合っているかの確認
標準的な面談20〜30分体調・仕事の状況の確認、助言、今後の方針
心の問題・休職や復職の判断1時間かける産業医もいる経過を丁寧に聞く、主治医の診断書の確認、復職後の働き方の相談

フォローアップでご確認だけなら10分で終わる先生もいらっしゃいますし、逆に心の問題や休職の問題で1時間かける先生もいらっしゃいます。状況と、会社と産業医の契約上の取り決め次第です。産業医の訪問時間は契約で決まっているので、1日に面談できる人数にも限りがあります。

当日の流れは、どの種類でもおおむね共通です。

  1. 面談の目的と、会社に伝わる範囲の説明(医師から)
  2. 体調の確認——睡眠、食欲、気分、通院や服薬の状況
  3. 仕事の確認——仕事の量、残業、人間関係、困っていること
  4. 医師の見立てと提案——通常勤務でよいか、配慮が必要か、受診をすすめるか
  5. 会社に伝える内容の確認——何をどう伝えるかを本人と相談して終了

産業医面談で何を話す?何を聞かれる?——答えたくないことは答えなくていい

産業医面談で聞かれること5つ(睡眠、食欲・気分、仕事の量・残業、人間関係・困りごと、支え・通院)と、準備しておくこと3つを示した図

聞かれることは、難しいことではありません。中心は「体調」と「仕事の状況」の2つです。上手に答える必要はなく、思っているままを話してもらうのがいちばん役に立ちます。

聞かれること質問の例なぜ聞くのか
睡眠「夜は眠れていますか」「朝のだるさはありますか」心身の負担がいちばん早く出るところ
食欲・気分「食事はとれていますか」「気分の落ち込みはありますか」受診をすすめるかどうかの判断材料
仕事の量・残業「仕事の量は最近どうですか」「残業はどのくらいですか」配慮(残業の制限など)が必要かを判断する
人間関係・困りごと「職場で困っていることはありますか」業務の調整や環境の改善につなげる
支え・通院「相談できる人はいますか」「通院や服薬はありますか」主治医との連携、働き方への影響を確認する

準備は3つで十分です。①伝えたいことを1〜2個メモしておく、②ここ2週間の睡眠を振り返っておく、③会社から事前の問診票やチェックリストを渡されたら記入しておく。服装は普段の仕事の格好で構いません。話したくないことを無理に話す必要もありません。

高ストレス者の面談で実際に私が聞いている質問と、その意図はストレスチェックの面談で何を話す?聞かれること・当日の流れで、当日の流れに沿って詳しく紹介しています。

産業医面談で話した内容は会社に伝わる?——伝わるのは就業上の配慮に必要な範囲

産業医面談で話した内容のうち会社に伝わるもの(面談を実施した事実、就業区分、必要な配慮の内容、期間の目安)と、伝わらないもの(悩みの中身、家庭の事情、診断名や服薬の詳細、上司や同僚への不満)を示した図

医師には守秘義務があります(刑法第134条)。さらに、健康診断や面接指導の事務に従事した人は、その実施に関して知り得た労働者の秘密を漏らしてはならないと定められています(労働安全衛生法第105条)。面談で話した内容が、そのまま会社に筒抜けになることはありません。

会社に伝わるもの会社に伝わらないもの
面談を実施したという事実面談で話した愚痴や悩みの中身
就業区分(通常勤務・就業制限・要休業)家庭やプライベートの事情
必要な配慮の内容(残業の制限、業務の調整、通院への配慮など)診断名や服薬の詳細(本人の同意がない限り)
配慮が必要な期間の目安上司や同僚への不満の具体的な発言

会社に意見を出すときも、医師が勝手に決めて通告するわけではありません。「残業を減らしてもらうよう意見を出そうと思いますが、どうですか」と、本人と相談しながら決めていくのが本来の面談です。例外は、命に関わる危険なサインが確認されたときで、その場合も本人に確認したうえで会社に協力を求めます。

情報の伝え方の設計は産業医面談の情報を職場に伝える範囲(2枚運用)、ストレスチェック後の面談で「会社にバレる」不安は高ストレス者面談のデメリットは?会社にバレる不安に回答で解説しています。うつ病や適応障害と言われていて、病名が上司に伝わらないか心配なときは、うつ病・適応障害は産業医に相談していい?もあわせてご覧ください。上司の立場で、部下を面談につないだあと何が伝わるかはラインケアの実務ガイドにまとめています。

産業医面談を受けたらクビになる?——むしろクビにならないために受ける

産業医面談を受けない場合(産業医が意見を出せず、配慮のないまま働き続け、体調が悪化する)と受ける場合(健康状態の確認、会社への意見、安全に働き続けられる)を対比した図。産業医に解雇を決める権限はない

「面談を受けたらクビになりますか」と聞かれたら、私はこう答えています。「むしろ、クビにならないように面談を受けるんです」。

産業医面談は、健康状態を確認して、適正な就業上の配慮を行う場です。面談を受けなければ、産業医は会社に「この人には残業の制限が必要です」「この業務は外してください」と意見を出すことができません。面談を受けずに、健康上の配慮が受けられない——そのほうが損になることはあると思います。

よくある不安実際はどうか
面談を受けたらクビになる産業医に解雇を決める権限はない。解雇には客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が必要(労働契約法第16条)で、「面談を受けた」ことは理由にならない
面談を申し出たら評価が下がる高ストレス者の面接指導は、申出を理由とした不利益な取扱いが法律で禁止されている(労働安全衛生法第66条の10第3項)
呼ばれた=退職をすすめられる面談の目的は就業上の配慮。退職勧奨は産業医の仕事ではない
面談を受けなければ安全配慮のないまま働き続け、体調を崩して長く休むほうが、本人にとって損が大きい

「産業医面談でクビになった」という話の多くは、面談が原因ではなく、休職期間の満了による退職など会社の就業規則の話です。休職できる期間や復職の条件は就業規則で決まっていて、面談を受けても受けなくても変わりません。不安なときは、自分の会社の就業規則で「休職期間」と「復職の手続き」を確認しておくと落ち着いて話せます。

面談を受けても評価は下がらない。ただし、就業制限がかかることは「全然ある」

面談を受けても評価は下がらないが、就業制限がかかることはある、という図。医師の意見の3つの区分は、通常勤務(これまでどおり働く)、就業制限(残業・出張・深夜業を減らす、作業や職場を変える)、要休業(休暇や休職で一定期間休み、治療に専念する)。配慮として実際にあり得るのは、病気を悪化させないため、仕事に影響を出さないため、本人の意見も聴いて決めるもの。不利益な取扱いとして指針で禁止されているのは、面談の結果を理由にした解雇、契約を更新しない、退職をすすめる、不当な目的の配置転換・役職の変更。現役産業医の言葉は「面談を受けたら何も制限がかからない、というわけではない」。良くなれば産業医の意見を聴いて通常勤務に戻す。制限がかかることと、不利益を受けることは、別の話。

【筆者の現場から】面談を受けたことが原因で、評価が下がるということは、ないと思います。ただ、実際に病気の状況で仕事ができなくて、「本当に病気だから、この業務はちょっと難しいよね」「就業制限がかかるよね」「お休みしたほうがいいよね」となることは、実際にあります。

これは不利益ではなく、配慮です。今の対応の原則は、病気を悪化させないこと。不利益かどうかというより、病気を悪化させない、仕事(事業)に影響を与えない、というところで就業制限がかかることは全然ある——そう理解しておいたほうがいいと思います。面談を受けたら何も制限がかからない、というわけではありません。

医師が会社に出す意見は、「通常勤務」「就業制限」「要休業」の3つの区分で考えます。ストレスチェックの面接指導について国が示した指針では、それぞれ次のように整理されています。

配慮(実際にあり得る)不利益な取扱い(指針で禁止)
何のため病気を悪化させない、仕事に影響を出さないため—
中身の例就業制限=残業や出張の制限、労働時間の短縮、作業の転換、就業場所の変更、深夜業の回数を減らす。要休業=休暇や休職で一定期間休む面談の結果を理由にした解雇、契約を更新しない(雇止め)、退職をすすめる、不当な目的の配置転換や役職の変更
決め方医師の意見を聴き、本人の意見も聴いて、話し合ったうえで会社が決める医師の意見と内容・程度が著しく違う措置、法令の手順を踏まない措置
その後良くなれば、産業医の意見を聴いて通常の勤務に戻す—

「制限がかかるかもしれない」ことと「不利益を受ける」ことは、別の話です。制限は、体調が戻るまでの一時的なものとして決めることが多く、良くなれば外します。健康診断のあとの面談でも、医師は同じ3つの区分で意見を出します。就業制限の中身と、会社が従う義務の範囲は就業制限とは?就業禁止との違い・診断書の残業禁止で解説しています。

もし面談の場で退職を迫られた、面談を受けたことを理由に不利益な扱いを受けた、ということがあれば、それは制度の使い方として誤りです。都道府県労働局の総合労働相談コーナーなど、外部の窓口に相談してください。

産業医面談は断れる?——種類によって違う。受けないと配慮が受けられない

産業医面談を断れるかを種類別に示した図。高ストレス者の面接指導は本人の申出制、長時間労働の面接指導は申し出たら受ける義務あり、休職・復職の面談は会社の復職手続き、体調の相談や健診後の面談は希望制

断れるかどうかは、面談の種類で変わります。

面談の種類本人が受ける義務断るとどうなるか
高ストレス者の面接指導なし(本人の申出で行う)申し出なければ行われない。不利益もないが、配慮にもつながらない
長時間労働の面接指導申し出た場合は受ける義務がある(労働安全衛生法第66条の8第2項)。会社指定の医師が嫌なら、他の医師の面接指導を受けて結果の書面を提出してもよい研究開発業務で月100時間を超えた場合などは、申出がなくても会社に実施義務がある
健康診断の有所見法律上の受ける義務は明記されていない医師が就業上の意見を出すための情報が足りなくなる
休職・復職の面談会社の復職の手続きとして定められていることが多い復職の可否を判断する材料がそろわず、復職の手続きが進まない
体調の相談なし(希望制)—

断ること自体で罰せられることはありません。ただ、前の章でお伝えしたとおり、面談を受けないと、健康上の配慮を受けるきっかけを自分で手放すことになります。会社の産業医に話しにくい事情があるなら、「他の医師に相談したい」と伝えるのも一つの方法です。人事の方へ: 社内の産業医には話しにくいという声があるときは、外部の医師にオンラインで面接指導を頼めるサンポマッチも使えます。

ストレスチェック後の面談を受けないとどうなるかはストレスチェックの面談を受けないとどうなる?、会社が面談を業務命令にできるかは産業医面談は会社が指示できる?、面談が形だけになっていると感じる方は産業医面談が「意味ない」と言われる理由も参考にしてください。

会社に産業医がいない・面談の枠がない場合は?

従業員50人未満の会社には産業医の選任義務がなく、「面談を受けたいのに、頼める医師がいない」ということが起こります。高ストレス者や長時間労働の面接指導は「医師」であれば行えるので、自社の産業医でなくても、外部の医師に依頼すれば受けられます。地域産業保健センター(無料・枠に限りあり)や、外部の医師のスポット面談が選択肢です。詳しくは産業医がいない会社はどうする?にまとめています。

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代表産業医 角田拓実
代表産業医 角田拓実サンポチャート

まとめ:産業医面談は、あなたを損させる場ではなく、安全に働くための場

最後に、面談を受ける方への一言です。産業医面談は、健康状態を確認して、適正な就業上の配慮を行う場です。あなたを損させる場所ではなく、安全に働いてもらうための場所です。

  • 産業医面談は、健康状態を確認し、安全に働けるよう就業上の配慮を行う場。評価や処分の場ではない。
  • 呼ばれる理由は5種類。多い順に、休職・復職、体調の相談、高ストレス、長時間労働、健康診断の有所見。
  • 時間は20〜30分で1コマが目安。確認だけなら10分、心の問題や休職・復職では1時間かける産業医もいる。
  • 聞かれるのは体調(睡眠・食欲・気分)と仕事の状況。答えたくないことは答えなくていい。
  • 会社に伝わるのは、就業上の配慮に必要な範囲だけ。話の中身がそのまま伝わることはない。
  • 面談を受けたことを理由にクビにはならない。むしろ、クビにならないために受ける。受けないと配慮が受けられず損になる。
  • 評価は下がらないが、病気を悪化させないための就業制限や休業がかかることは全然ある。それは不利益ではなく配慮。

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  • 産業医意見書テンプレート無料DL|人事用・職場共有用の2枚運用
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よくある質問

Q1. 産業医面談とは何ですか?

会社が選任した産業医などの医師が、従業員と1対1で健康状態と働き方を確認し、必要なら会社に就業上の配慮について意見を述べる面談です。診断や治療は行わず、評価や処分の場でもありません。費用は会社負担です。

Q2. 産業医面談を受けるとクビになりますか?

なりません。産業医に解雇を決める権限はなく、面談を受けたことは解雇の理由になりません。高ストレス者の面接指導では、申出を理由とした不利益な取扱いが労働安全衛生法第66条の10第3項で禁止されています。面談は、必要な配慮を受けて働き続けるための場です。

Q3. 産業医面談の時間はどのくらいですか?

20〜30分が目安です。フォローアップの確認だけなら10分ほどで終わることもあり、心の問題や休職・復職の判断では1時間かける産業医もいます。状況と、会社と産業医の契約上の取り決めによって変わります。

Q4. 産業医面談で話した内容は会社や上司に伝わりますか?

話の中身がそのまま伝わることはありません。医師には守秘義務があり、会社に伝わるのは面談を実施した事実と、残業の制限や業務の調整など就業上の配慮に必要な範囲の内容です。何を伝えるかは本人と相談して決めるのが基本です。

Q5. 産業医面談は断れますか?

種類によります。高ストレス者の面接指導は本人の申出で行うため、申し出なければ行われません。長時間労働の面接指導は、申し出た場合は受ける義務があります(他の医師の面接指導を受けて結果の書面を提出することも可能)。断ること自体に罰はありませんが、健康上の配慮を受けるきっかけを失います。

Q6. 産業医面談の服装や持ち物に決まりはありますか?

決まりはありません。普段の仕事の服装で大丈夫です。伝えたいことのメモ、通院中ならお薬手帳、会社から渡された問診票があれば持参すると、限られた時間を有効に使えます。

Q7. 産業医面談のあと、残業の制限や休職になることはありますか?

あります。面談を受けたことを理由に評価が下がることはありませんが、病気の状況で今の仕事が難しいときは、病気を悪化させないための配慮として、残業の制限や作業の転換などの就業制限、または休業について医師が意見を出すことがあります。措置を決めるのは会社で、本人の意見を聴いて話し合うことになっています。面談の結果を理由にした解雇や退職勧奨は、ストレスチェックの指針で不利益な取扱いとして禁止されています。

参考: 労働安全衛生法(e-Gov法令検索) / 労働安全衛生規則(e-Gov法令検索) / 労働契約法(e-Gov法令検索) / ストレスチェック制度・長時間労働者への面接指導(厚生労働省) / ストレスチェック指針(厚生労働省)

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この記事を書いた人

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産業保健解説メディア「さんぽちゃーと」編集長。株式会社サンポチャート代表取締役。株式会社豊田自動織機専属産業医の後、東海地方を中心に50事業所以上の職場健康管理に関わっている。資格:日本医師会認定産業医/博士(医学)/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/健康経営エキスパートアドバイザー。著書に40代から始めるあなたの予防医学(自由国民社)、図解入門ビジネス職場メンタルヘルスの基本と対応がよくわかる本(秀和システム新社)がある。

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