就業上の措置に係る産業医意見書のテンプレート(Excel)を、無料で配布しています。人事管理用と職場共有用の2枚に分かれていて、人事管理用に入力すると、職場共有用に自動で反映されます。
産業医意見書で現場トラブルが起きやすい原因の多くは、「職場に渡す情報が多すぎる」ことです。
職場の上司は配慮を実行する人ですが、健康情報を管理する立場ではありません。
そこで本テンプレは、実務で回る形に最適化した2枚運用になっています。
- 人事管理用(CONFIDENTIAL):就業上の措置を決めて回すための管理情報(必要最小限)
- 職場共有用(配慮のみ):職場が実行する配慮事項だけを記載(健康情報の詳細は書かない)

【無料ダウンロード】テンプレはこちら


上記の2枚の意見書を作成できます。編集できるExcelファイルでダウンロードできます。意見書の書き方と運用の全体像は産業医意見書作成・運用完全ガイドで解説しています。
- Excelテンプレ(.xlsm)
- 〇/×でチェックできる就業判定
- 人事管理用に入力すると、職場共有用へ自動反映
- A4印刷・ページ番号付き
- 産業医名は右下署名で自然な体裁
[無料でダウンロードする]
テンプレートの記載項目
2枚のシートに入っている欄は次のとおりです。
| シート | 記載項目 |
|---|---|
| 人事管理用(CONFIDENTIAL) | 1. 対象者(社員番号・氏名・所属部署) 2. 面談等の実施情報(面談日・区分・参考情報) 3. 就業判定(通常就業可・就業制限が望ましい・休業が望ましい・その他) 4. 就業上の措置(残業・夜勤・勤務時間・業務内容・休憩・通院配慮・その他) 5. 期間・見直し(措置期間・再評価の予定日・見直し条件) 6. 共有範囲(運用メモ) |
| 職場共有用(配慮のみ) | 1. 対象者 2. 就業判定(人事管理用の判定を反映) 3. 職場で実行する配慮事項 4. 期間・見直し |
参考情報の欄は、本人申告・健診結果・勤務状況・主治医意見書の有無を〇×で記録します。職場共有用には、病名や検査値を書く欄がありません。
このテンプレでできること
1)就業判定は「〇が1つだけ」になる(入力ミス防止)
「通常就業可/就業制限/休業/その他」など、複数に〇が付いて混乱するのを防ぐ設計です。
〇を付けた瞬間に、他は自動で×になります。
2)「会社が実行できる形」で配慮事項を書ける
テンプレ内に、現場が動ける言葉で書くための枠を用意しています。
例)
- 残業:月◯時間まで/当面禁止
- 夜勤:当面免除(〜20XX/XX/XXまで)
- 勤務時間:開始◯:◯、終了◯:◯
- 業務内容:運転・危険作業・高負荷業務の回避
- 休憩:午前・午後に各◯分の追加休憩
- 通院配慮:週◯回(◯曜日◯時~)勤務調整
3)人事用→職場共有用に“同時入力”
人事管理用に入力した配慮事項・期間・就業判定が、職場共有用に自動で反映されます。
「書き分けを忘れる」「二重入力でズレる」を防ぎます。
想定する利用シーン
- 健診後措置(要面談・要就業配慮の整理)
- 長時間労働の面接指導(過重労働面談)
- 高ストレス者の面接指導(ストレスチェック)
- 休職・復職判定(復職条件/段階復帰)
- その他(主治医意見書の反映、通院配慮など)
使い方
- テンプレ(Excel)をダウンロード
- Excelを開き、必要ならマクロを有効化
- 人事管理用シートに入力(就業判定は〇/×)
- 職場共有用シートに自動反映されることを確認
- 人事管理用は人事で保管、職場共有用だけを職場へ展開
運用上の注意
職場共有用には「配慮事項のみ」
職場共有用に、次のような情報を載せすぎないのが原則です。
- 病名、検査値、詳細な診断内容
- 私傷病の具体的経過
- 不要な個人の健康情報
人事管理用(CONFIDENTIAL)で必要最小限を管理し、職場は“実行情報だけ”に絞りましょう。
これが情報事故・ハラスメント・不適切な取り扱いの予防になります。
2枚運用で揉めるのは、人事が知っている情報がそのまま職場に流れたとき

【筆者の現場から】人事用と職場共有用を、いつも分けなければいけないわけではありません。ただ、人事担当者が知っているレベルの情報を、そのまま職場に共有してしまうと、やっぱりトラブルが起きます。職場共有用は、人事が要約して作っていただいても問題ありませんし、産業医が職場への指示書として書いたものを使っていただいても全然大丈夫です。そこに決まりはありません。ただ、職場に共有されるものには、病名や、なぜそれが起きたかの理由までは書かない方がいい。具体的な就業制限のレベルについて書くのがおすすめです。
人事用と職場共有用で、書くこと・書かないこと
| 項目 | 人事用 | 職場共有用 |
|---|---|---|
| 病名・診断名 | 就業上の判断に必要な範囲で | 書かない |
| なぜ起きたか(原因・経緯・家庭や職場の事情) | 必要な範囲で | 書かない |
| 検査値・症状の詳しい内容 | 書かない(健診結果などは有無を〇×で) | 書かない |
| 就業判定(通常勤務・就業制限・要休業) | 書く | 書く |
| 就業制限の中身 | 数字で書く(例: 残業は月20時間まで) | 同じ数字で書く |
| 期間・見直しの日 | 書く | 書く |
| 共有範囲(誰に何を見せるか) | 書く | 書かない |
このテンプレートは、人事管理用に入力した就業判定・配慮事項・期間が職場共有用に自動で反映され、職場共有用には病名や検査値を書く欄がありません。表の「書かない」が、そのまま形になっています。
職場共有用は、誰が作ってもいい。渡す前に4つだけ確かめる
職場共有用の作り方は2通りあります。人事が人事用から要約して作るか、産業医に職場への指示書として書いてもらうかです。どちらで作っても、職場に渡す前に次の4つを確かめてください。
- 病名・診断名が入っていない
- 「なぜそうなったか」(原因・経緯・家庭の事情)が入っていない
- 制限が数字で書いてある(「残業は月◯時間まで」「夜勤なし」)
- 期間と見直しの日が書いてある
厚生労働省の健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針も、産業保健スタッフ以外の人に健康情報を取り扱わせるときは、就業上の措置に必要な最小限に加工し、診断名・検査値・具体的な愁訴の内容などの加工前の情報は取り扱わせてはならないとしています。上司には、プライバシーに配慮しつつ、措置の目的と内容を説明します。会社が心身の状態の情報を使うのも、健康の確保に必要な範囲内に限られます(労働安全衛生法第104条)。
意見書に病名を書くかどうかの宛先ごとの書き分けは産業医意見書の「書きすぎ」を防ぐ言い換え(病名は書く?)、制限を数字で書くと現場が動ける理由は産業医の面談記録を現場で活かす方法で解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q. 病名は書くべきですか?
原則として、職場共有用には書きません。
人事管理用でも「会社の判断に必要な範囲」に留め、詳細は別管理が安全です。
Q. 就業判定が複数〇になりませんか?
なりません。〇は1つだけになるよう自動制御しています。
Q. 職場共有用も就業判定が必要ですか?
必要です。現場は「何が許容されるか」を知る必要があるので、判定+配慮事項が揃うと運用が回ります。
Q. マクロが怖いのですが?
テンプレは入力支援のためのマクロを使います。社内のセキュリティ方針に合わせて削除・調整を行ったうえで運用してください。
(社内配布するなら、ファイルを固定フォルダで管理し、改変禁止にする運用が安全です)
Q. 産業医意見書に厚生労働省のフォーマットはありますか?
長時間労働者と高ストレス者の面接指導には、厚生労働省の様式があります。健康診断のあとの意見は、健康診断個人票(様式第5号)の意見欄に書きます。復職など、それ以外の意見書に決まった様式はないので、このテンプレートのような自社のひな形を用意します。
Q. 人事用と職場共有用の2枚に、必ず分けないといけませんか?
必ずではありません。ただ、人事担当者が知っているレベルの情報をそのまま職場に共有すると、トラブルが起きます。1枚で済ませるなら、職場に渡すものに病名や理由を書かず、就業制限の中身(数字)と期間だけにしてください。
Q. 職場共有用の意見書は、人事が作ってもいいですか?
はい。人事が人事用から要約して作っても、産業医に職場への指示書として書いてもらっても、どちらでも大丈夫です。渡す前に、病名・原因や経緯が入っていないか、制限が数字で書いてあるか、期間と見直しの日があるかを確かめてください。
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免責事項
本テンプレート(Excelファイル/マクロを含む)は、一般的な情報提供および業務効率化を目的として無償提供するものです。
ご利用にあたっては、貴社の就業規則、個人情報保護方針、セキュリティポリシー、関連法令・ガイドライン等に照らし、利用者ご自身の判断と責任においてご使用ください。
当社(運営者)は、本テンプレートの利用または利用不能により生じた、いかなる損害(直接損害・間接損害・特別損害・逸失利益、第三者からの請求、データ消失、業務停止等を含みますがこれらに限りません)についても、一切の責任を負いません。
また、本テンプレートの内容は予告なく変更・提供停止する場合があります。
テンプレートの改変・再配布・社内外での共有にあたっては、貴社の情報管理ルールに従い、必要に応じて専門家へご相談ください。


