有機則(有機溶剤中毒予防規則)とは、トルエン・キシレン・アセトンなど44種類の有機溶剤を、屋内やタンクの中などで扱う会社に、換気設備・有機溶剤作業主任者・掲示・6か月ごとの作業環境測定と特殊健康診断などを義務づける厚生労働省令です(昭和47年労働省令第36号)。
何をどこまでやるかは、使っている溶剤が第1種・第2種・第3種のどれかと、作業する場所で決まります。第1種・第2種は屋内作業場で使うときから規制がかかり、第3種はタンクなどの内部で使うときに規制がかかります。
有機則とは?労働安全衛生法にもとづく「特別規則」のひとつ

有機則は、労働安全衛生法と同法施行令にもとづく厚生労働省令で、特定の有害な作業ごとに細かい決まりを置く「特別規則」のひとつです。同じ仲間に、特定化学物質障害予防規則(特化則)、鉛中毒予防規則、電離放射線障害防止規則などがあります。
対象になるのは「有機溶剤業務」です。有機則第1条は、塗装、印刷、接着剤の塗布と接着、洗浄・払しょく、つや出しや防水などの表面の加工、有機溶剤が付いた物の乾燥、試験・研究、有機溶剤を製造する工程でのろ過・混合、有機溶剤を入れたことのあるタンクの内部での作業などを挙げています。
有機溶剤そのものだけでなく、有機溶剤を重さで5%を超えて含む混合物(塗料・シンナー・接着剤・洗浄剤など)も対象です(第1条第1項第2号)。手元の製品が当たるかどうかは、SDS(安全データシート)の成分と含有率で確かめます。
有機溶剤の第1種・第2種・第3種の違い

有機溶剤は、有機則で第1種・第2種・第3種に分かれています。第1種がもっとも規制が厳しく、第3種は規制がかかる場所がタンク等の内部に限られます。違いを1枚にまとめると次のとおりです。
| 第1種有機溶剤等 | 第2種有機溶剤等 | 第3種有機溶剤等 | |
|---|---|---|---|
| 物質の数 | 2物質 | 35物質 | 7物質 |
| 主な物質 | 1,2-ジクロルエチレン、二硫化炭素 | トルエン、キシレン、アセトン、メタノール、酢酸エチル、ノルマルヘキサン、イソプロピルアルコールなど | ガソリン、石油ナフサ、ミネラルスピリット、テレビン油など |
| 表示の色(第25条) | 赤 | 黄 | 青 |
| 規制がかかる場所 | 屋内作業場等(屋内作業場、タンク・船舶・車両の内部、通風が不十分な場所など) | 同左 | タンク等の内部(タンク・ピット・マンホール、地下室など通風が不十分な場所)だけ |
| 換気設備(第5条・第6条) | 発散源を密閉する設備・局所排気装置・プッシュプル型換気装置のいずれか | 同左 | 上の3つか全体換気装置(吹付けの作業は全体換気装置では不可) |
| 作業環境測定(第28条) | 屋内作業場で6か月以内ごとに1回 | 同左 | 対象外 |
| 特殊健康診断(第29条) | 常時従事する人に6か月以内ごとに1回 | 同左 | タンク等の内部の業務に常時従事する人だけ |
混合物の区分は、第1種の物質が5%を超えれば第1種、第1種と第2種の物質を合わせて5%を超えれば第2種、それ以外で有機溶剤が5%を超えるものは第3種です(第1条第1項第3号〜第5号)。たとえば、トルエンを5%を超えて含むシンナーは第2種、溶剤がミネラルスピリットだけの塗料は第3種になります。
同じ「シンナー」でも、製品によって第2種のことも第3種のこともあります。区分は製品名ではなくSDSの成分と含有率で決まり、作業場にはその区分を色(赤・黄・青)と、色以外の方法(文字など)で表示します(第25条)。
有機則の対象物質は44種類。特別有機溶剤は特化則の対象

対象の有機溶剤は、労働安全衛生法施行令の別表第六の二に並んでいる44物質です。
| 区分 | 物質 |
|---|---|
| 第1種(2物質) | 1,2-ジクロルエチレン(別名 二塩化アセチレン)、二硫化炭素 |
| 第2種(35物質) | アセトン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソペンチルアルコール(イソアミルアルコール)、エチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル(セロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(セロソルブアセテート)、エチレングリコールモノ-ノルマル-ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、オルト-ジクロルベンゼン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソペンチル(酢酸イソアミル)、酢酸エチル、酢酸ノルマル-ブチル、酢酸ノルマル-プロピル、酢酸ノルマル-ペンチル(酢酸ノルマル-アミル)、酢酸メチル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、1,1,1-トリクロルエタン、トルエン、ノルマルヘキサン、1-ブタノール、2-ブタノール、メタノール、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノン、メチル-ノルマル-ブチルケトン |
| 第3種(7物質) | ガソリン、コールタールナフサ(ソルベントナフサを含む)、石油エーテル、石油ナフサ、石油ベンジン、テレビン油、ミネラルスピリット(ミネラルシンナー、ペトロリウムスピリット、ホワイトスピリット、ミネラルターペンを含む) |
なお、エチルベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、1,4-ジオキサンなど12物質は「特別有機溶剤」として特化則の対象です。有機則の一覧に名前がなくても、SDSでこれらが入っていないかもあわせて確かめてください。
有機溶剤中毒の症状は?吸い込むだけでなく皮膚からも入る

有機溶剤は蒸発しやすく、蒸気を吸い込むほか、皮膚からも吸収されます。脂に溶けやすいため脳や神経に届きやすく、まず頭痛やめまいとして現れます。
| 主な症状 | 起こりやすい場面 | |
|---|---|---|
| 急性中毒 | 頭痛、めまい、吐き気、眠気、酒に酔ったような感じ。高い濃度では意識を失い、命にかかわる | タンク・ピットの中や、換気の悪い場所での塗装・洗浄 |
| 長く扱ったときの影響 | 疲れやすさ、頭が重い、集中しにくいなど。物質によっては下の表の特有の障害 | 低い濃度でも、長い期間続けて扱う |
| 皮膚・目・のど | 皮膚の荒れ(脂が抜ける)、目やのどの刺激 | 素手での洗浄・払しょく |
物質ごとに特に注意する障害があり、特殊健康診断で加わる検査はこれに対応しています。
| 物質 | 特に注意する障害 | 健診で加わる検査 |
|---|---|---|
| ノルマルヘキサン | 手足のしびれなどの末梢神経の障害 | 尿中の2,5-ヘキサンジオン |
| セロソルブ類 | 貧血などの血液への影響 | 血色素量・赤血球数 |
| 二硫化炭素 | 神経・精神の症状、網膜の血管の変化 | 眼底検査 |
| N,N-ジメチルホルムアミド、クロルベンゼンなど | 肝臓の障害 | 肝機能検査 |
| トルエン・キシレン | 頭痛・めまいなど脳への影響 | 尿中の馬尿酸・メチル馬尿酸(体にどれだけ入ったかの目安) |
タンクやピットの中で急性中毒になると、意識を失って自力で出られなくなります。換気装置が止まったら直ちに作業を止めて退避させる(第27条)、タンク内の決まった作業では送気マスクを使う(第32条)——有機則がタンク内に細かい決まりを置いているのはこのためです。
強く汚染されたり多量に吸い込んだりした人は、新鮮な空気の場所へ移し、速やかに医師の診察・処置を受けさせます(第30条の4)。助けに入る人も同じ蒸気を吸うおそれがあるため、換気と呼吸用保護具を確保してから入ります。
有機則で会社がやること一覧(頻度・保存期間つき)

第1種・第2種を屋内作業場で使う会社を前提に、会社がやることを頻度と保存期間つきで並べました。
| やること | 中身 | 頻度・保存 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 換気設備 | 発散源を密閉する設備・局所排気装置・プッシュプル型換気装置(第3種のタンク内などは全体換気装置も可) | 設置 | 第5条・第6条 |
| 有機溶剤作業主任者 | 技能講習の修了者から選任。作業方法を決めて指揮し、換気装置を点検し、保護具の使い方を見る(試験・研究の業務は除く) | 換気装置の点検は1か月を超えない期間ごと | 第19条・第19条の2 |
| 局所排気装置などの定期自主検査 | フード・ダクト・ファンの損傷、吸気・排気の能力など | 1年以内ごとに1回・記録3年 | 第20条〜第21条 |
| 掲示 | 起こりうる病気と症状、取扱い上の注意、中毒が起きたときの応急処置、必要な場所では使う呼吸用保護具 | 作業場の見やすい場所 | 第24条 |
| 区分の表示 | 第1種=赤・第2種=黄・第3種=青の色分けと、色以外の方法(文字など) | 作業場の見やすい場所 | 第25条 |
| 作業環境測定と評価 | 屋内作業場の有機溶剤の濃度を測り、第1〜第3管理区分に評価する | 6か月以内ごとに1回・記録3年 | 第28条・第28条の2 |
| 特殊健康診断 | 業務歴・作業条件の調査、自覚症状・他覚症状の検査、物質ごとの尿・血液などの検査 | 雇入れ時・配置替え時・6か月以内ごとに1回・個人票5年 | 第29条・第30条 |
| 健診のあと | 3か月以内に医師の意見を聴く、本人へ結果を通知、定期の健診は労基署へ報告 | 遅滞なく | 第30条の2〜第30条の3 |
| 呼吸用保護具 | タンク内の作業などでは送気マスクや有機ガス用防毒マスクを使わせ、同時に働く人数分以上そろえる | 作業のつど | 第32条〜第33条の2 |
| 貯蔵と空容器 | ふた・栓をした堅固な容器で保管し、貯蔵場所に関係者以外の立入防止と蒸気の排出設備。空容器は密閉するか屋外の決まった場所に集める | 常時 | 第35条・第36条 |
使う量が少ないときは一部が外れる(許容消費量)
塗装・洗浄などで1時間(タンク等の内部では1日)に使う量が「許容消費量」を超えないときは、換気設備・作業主任者・掲示などの規定が適用されません(第2条)。許容消費量は作業場の気積(床から4mを超える空間は除き、150㎥が上限)に、第1種は1/15、第2種は2/5、第3種は3/2をかけたグラム数です。
健康診断や作業環境測定まで外すには、許容消費量を常態として超えないことについて、労働基準監督署長の認定を受ける必要があります(第3条)。
有機溶剤の対策は、どの順番で考える?

現場の対策は、効き目の大きい順に考えます。マスクから考え始めると、換気装置の不具合や作業のやり方の問題が見えなくなります。
- 使う量と種類を減らす: 有機溶剤を含まない製品や第3種の製品に替えられないか、1回に出す量を減らせないか。替える先の製品もSDSで成分を確かめます(特化則の特別有機溶剤などが入っていることがあります)。
- 発散源を囲う・吸う: 密閉設備、局所排気装置・プッシュプル型換気装置。局所排気装置のフードは発散源のできるだけ近くに置き、吸い込みが弱っていないかを定期の点検で確かめます。
- 作業のやり方を変える: 容器のふたを閉める、溶剤の付いたウエスはふた付きの容器へ、蒸気が顔に来ない向きで作業する、空容器は密閉するか屋外の決まった場所に集める(第36条)。
- 保護具: 有機ガス用防毒マスクは吸収缶を替える時期を決めておきます。手袋は溶剤を通しにくい材質を選びます。2024年4月から、皮膚から吸収されるなどのおそれが明らかな物として国が定める「皮膚等障害化学物質等」を扱うときは、不浸透性の保護手袋などを使わせることが義務になりました(労働安全衛生規則第594条の2)。それ以外の化学物質も努力義務です(第594条の3)。
特殊健康診断は6か月ごと。条件を満たせば1年に1回にできる

対象は、屋内作業場等で第1種・第2種の有機溶剤業務に常時従事する人と、タンク等の内部で第3種の有機溶剤業務に常時従事する人です。雇入れ時・配置替え時と、その後6か月以内ごとに1回行います(第29条第2項)。
全員に行うのは、業務の経歴の調査、作業条件の簡易な調査、有機溶剤による健康障害と症状の既往の調査、自覚症状・他覚症状の検査です。使っている物質によって、次の検査が加わります(有機則 別表)。
| 使っている物質 | 加わる検査 |
|---|---|
| トルエン | 尿中の馬尿酸 |
| キシレン | 尿中のメチル馬尿酸 |
| ノルマルヘキサン | 尿中の2,5-ヘキサンジオン |
| N,N-ジメチルホルムアミド | 肝機能検査と尿中のN-メチルホルムアミド |
| 1,1,1-トリクロルエタン | 尿中のトリクロル酢酸または総三塩化物 |
| 二硫化炭素 | 眼底検査 |
| セロソルブ類(4物質) | 血色素量と赤血球数 |
| オルト-ジクロルベンゼン、クレゾール、クロルベンゼン、1,2-ジクロルエチレン | 肝機能検査 |
医師が必要と認めた人には、作業条件の調査・貧血検査・肝機能検査・腎機能検査・神経学的検査を追加します(第29条第5項)。
- その作業場所の作業環境測定の評価が、直近を含めて3回続けて第1管理区分
- 直近の健康診断のあと、作業方法を変えていない(軽微な変更を除く)
- 直近の3回続けての健康診断で、新たに有機溶剤による異常所見がない
結果は有機溶剤等健康診断個人票にして5年保存し、健診から3か月以内に医師の意見を聴き、本人へ通知します。定期の健診の結果は労働基準監督署へ報告します。一般の定期健康診断の結果報告は常時50人以上の事業場だけですが、有機溶剤の健診の結果報告は人数にかかわらず必要です。報告は2025年1月から電子申請が原則になりました(当面は従来の様式も使える経過措置があります)。
会社の健康診断の義務全体は会社の健康診断の義務はどこまで?で整理しています。
2023年・2024年の改正で、有機則の何が変わった?

2022年5月に公布された省令改正(令和4年厚生労働省令第91号)で、化学物質を事業場が自ら管理する仕組み(いわゆる「自律的な管理」)が始まり、有機則も2023年4月と2024年4月に段階的に変わりました。
| 施行 | 変わったこと | 条文 |
|---|---|---|
| 2023年4月 | 特殊健康診断を、条件を満たせば1年以内ごとに1回にできる | 第29条第6項 |
| 2023年4月 | 専属の化学物質管理専門家の配置、過去3年の作業環境測定がすべて第1管理区分、外部の専門家の評価などの条件を満たし、都道府県労働局長の認定を受けた事業場は、有機則の多くの規定が外れる(健康診断と一部の保護具の規定は残る・3年ごとに更新) | 第4条の2 |
| 2024年4月 | 作業環境測定で第3管理区分になった場所は、外部の作業環境管理専門家の意見を聴いて改善する。改善できないときは、個人サンプリング測定などで濃度を測り、有効な呼吸用保護具を使わせ、フィットテスト(1年以内ごとに1回・記録3年)を行い、第3管理区分措置状況届を労基署へ出す | 第28条の3の2・第28条の3の3 |
| 2025年1月 | 有機溶剤等健康診断の結果報告は電子申請が原則に | 第30条の3 |
産業医は有機溶剤の職場で何をする?

産業医の仕事は、健診の結果を見て「働いてよいか」を判断することだけではありません。有機溶剤の職場では、次の3つで関わります。
- 職場巡視: 少なくとも毎月1回(一定の情報提供を受け、会社の同意がある場合は2か月に1回・労働安全衛生規則第15条)。換気装置が動いているか、フードと発散源の距離、容器のふた、保護具の使い方、掲示と色分けの表示を現場で確かめます。巡視の見どころは産業医の職場巡視の注意点で紹介しています。
- 特殊健康診断の結果への意見: 健診から3か月以内。尿の検査値や自覚症状から、作業方法や配置の見直しを提案します。
- 作業環境測定の結果の読み取り: 第2・第3管理区分の場所は、衛生委員会で原因と改善の順番を一緒に決めます。
まとめ
- 有機則は、44種類の有機溶剤と、それを5%を超えて含む製品を扱う業務に適用される厚生労働省令
- 第1種・第2種は屋内作業場から、第3種はタンク等の内部で規制がかかる
- 区分はSDSの成分と含有率で判断し、作業場に色(赤・黄・青)と文字で表示する
- 急性中毒は頭痛・めまいから意識障害まで。物質ごとの障害は、特殊健診で加わる検査と対応している
- 対策は「量と種類を減らす→囲う・吸う→作業のやり方→保護具」の順。手袋は2024年4月から義務になる物がある
- 第1種・第2種の屋内作業場は、作業環境測定を6か月以内ごとに1回
- 特殊健康診断は6か月以内ごと。2023年4月から、条件を満たせば1年に1回
- 第3管理区分になったら、2024年4月からは外部の専門家の意見を聴いて改善する
参考文献
- 有機溶剤中毒予防規則(e-Gov法令検索)
- 労働安全衛生法施行令 別表第六の二(e-Gov法令検索)
- 特定化学物質障害予防規則(e-Gov法令検索)
- 日本の労働災害事例から見た化学物質の健康有害性による重大災害の原因とリスク低減措置(2023年)
- 産業中毒と生物学的モニタリング(2024年)
よくある質問
Q. 有機則(有機溶剤中毒予防規則)とは何ですか?
有機溶剤による中毒を防ぐために、労働安全衛生法にもとづいて定められた厚生労働省令です。44種類の有機溶剤と、それを重さで5%を超えて含む塗料・接着剤などを、屋内やタンクの中などで扱う会社に、換気設備・有機溶剤作業主任者・掲示・作業環境測定・特殊健康診断などを義務づけています。
Q. 有機溶剤の第1種・第2種・第3種の違いは何ですか?
規制の強さと、規制がかかる場所の違いです。第1種(2物質・表示は赤)と第2種(35物質・黄)は屋内作業場から規制がかかり、局所排気装置などの設置と、6か月以内ごとの作業環境測定・特殊健康診断が必要です。第3種(7物質・青)はタンク等の内部で使うときに規制がかかり、吹付けでなければ全体換気装置でもかまいません。
Q. 有機溶剤中毒ではどんな症状が出ますか?
吸い込んだ直後は、頭痛・めまい・吐き気・眠気・酒に酔ったような感じが出て、高い濃度では意識を失うことがあります。長く扱うと、ノルマルヘキサンによる手足のしびれ、セロソルブ類による貧血、二硫化炭素による神経や網膜の血管の障害、N,N-ジメチルホルムアミドなどによる肝臓の障害のように、物質ごとの障害が起こることがあります。
Q. 有機溶剤の特殊健康診断は年に何回必要ですか?
雇入れ時・配置替え時と、その後6か月以内ごとに1回です。2023年4月からは、作業環境測定の評価が3回続けて第1管理区分、直近の健診のあと作業方法の変更なし、直近3回の健診で新たな異常所見なし、の3つをすべて満たす人は1年以内ごとに1回にできます。
Q. 50人未満の会社でも有機溶剤の健康診断の結果報告は必要ですか?
必要です。一般の定期健康診断の結果報告は常時50人以上の事業場が対象ですが、有機溶剤等健康診断(定期のもの)の結果報告は人数にかかわらず所轄の労働基準監督署へ出します。2025年1月から電子申請が原則になりました(当面は従来の様式も使える経過措置があります)。
Q. 有機溶剤作業主任者は必ず選任しなければいけませんか?
有機溶剤業務を行うときは、有機溶剤作業主任者技能講習を修了した人から選任します(有機則第19条)。ただし、試験・研究の業務と、使う量が許容消費量以下で適用除外になる業務は除かれます。
Q. 産業医は有機溶剤の管理にどう関わりますか?
少なくとも毎月1回(一定の情報提供を受け、会社の同意がある場合は2か月に1回)の職場巡視で、換気装置・保護具・掲示や色分けの表示を現場で確かめます。特殊健康診断の結果については3か月以内に就業上の意見を述べ、作業環境測定の結果を衛生委員会で一緒に読み、改善を提案します。


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