産業医の巡視に腕章は必要?着用すると従業員も助かります。
こんにちは。産業医の角田拓実です。
今回は巡視の際に質問を受けることがある「産業医の巡視には腕章は必要ですか?」という質問に回答していきます。
答えは「あると巡視の際に従業員に産業医として認識してもらい、産業医の活動全体で役に立ちます。」です。
今回はその理由に関して実務経験を踏まえ解説をしていきます。
産業医とはどんな仕事?法令、実務、活用方法に関して徹底解説。
職場巡視の際に腕章があると産業医として認識してもらえる。
産業医が腕章をするメリットとしては職場巡視の際に「産業医として認識してもらえる」ことが挙げられます。
通常職場に産業医が担当者と入ってきたとしても「だれかお客さんが来たのかな?」という印象を与えるのみであることが多いです。
この際に「産業医の腕章」を付けることによって職場の方に産業医と認識してもらえます。
中央労働災害防止協会のHPより引用 産業医腕章(デラックス・銀) – 中災防図書用品販売サイト (jisha.or.jp)
従業員としては「産業医が職場を見てくれている」「うちにも産業医がいたのか」「この前面談した産業医がいるな」などの印象を受けたとコメントを頂くことが多いです。
このように産業医と認識していただくことは産業医面談などその他の業務を行った際にも「予め知っていた」「相談しやすい」という印象を与えることになり職場全体によい影響を与えることが可能です。(面談時にこのような感想を頂くことが多いです。)
また、巡視の際に職場の状況を伝えたいと話をしてくれる従業員の方も増えるためより職場改善に関わる情報を集めることができると考えています。
産業医面談の際に思い出してもらえることもメリット
職場巡視の際に産業医とわかるようにして巡視を行うことは前述したように産業医面談の際にも役に立ちます。
全く知らない医師と面談を始めるよりも、産業医としてわかりやすい状態で巡視を行うことにより「予め産業医として知っている」状態で話すことができます。
何回か目にしている産業医であればとっつきやすさが増し、面談の際により心を開いて面談を行いやすくなります。(産業医にいきなり健康問題を相談することにハードルを抱える従業員は少なくありません。)
腕章の着用は義務?
産業医の腕章着用に特別な義務は存在していません。
そもそも労働安全衛生法自体には産業医の巡視頻度以外には特別な定めは存在していません。
したがって、服装や保護具に関しては職場の規定や作業基準にのっとり対応していけば問題ありません。
当然腕章に関しても義務ではありませんので、「あると産業医として認識しやすいわかりやすい」という認識で大丈夫です。
安全のビブスを着用することも
産業医の腕章に関しては中央労働災害防止協会などが販売しています。
しかしながら、汎用性自体は高くないのでわざわざ職場で購入しないことも多いです。
時には、一般的に販売されていることが多い「安全第一」等の記載があるビブスを着用することもあります。
産業医としては認識できませんが「安全や衛生に関わるパトロールなのだろう」という印象が出ているので従業員から見た印象としては悪くないといわれています。
まとめ
職番巡視を行う際に腕章を用いて産業医として認識をしてもらうことは「巡視自体の効果を上げる」「巡視以外の面談等にも効果がある」といったメリットがあります。
また、産業医と限らず安全衛生のビブスなどを着用することで職場安全衛生のために巡視をしている人として知ってもらうことも十分に効果があるでしょう。
産業医による職場巡視をより活発化させたい際には腕章の購入を検討することも有用化と考えます。
ぜひ産業医の活動を通して職場環境の改善に努めていただければ幸いです。
産業医/健康経営エキスパートアドバイザー 角田拓実