産業保健師の求人はどこで見つける?保健師が実際の求職活動をもとにお伝えします。

企業内で従業員の健康管理や健康増進をサポートする保健師は産業保健師と呼ばれ、保健師の中でも人気が高いと言われています。しかしながら、求人は多くなく倍率は高くなりがちです。

求人が少なく人気の理由と求人の見つけ方を実際の求職活動をもとにお伝えします。

産業保健師に興味がある方、転職先をお考えの方、看護系学生の方はぜひ最後までお付き合いください。

産業保健師の求人はなぜ少ない?

厚生労働省の「令和4年衛生行政報告例の概要」によると、2022年末現在の就業保健師数は60,299人(男性1,947人、女性58,352人)です。

就業場所別の割合を見てみると、43,258人、約70%が保健所や市区町村などの行政で活躍しており、事業所(企業)で働く産業保健師は4,201人と7%しかいません。

gaikyo.pdf (mhlw.go.jp)

従業員数が50人以上の事業場では、産業医の選任が義務付けられていますが、産業保健師については選任の義務はありません。

そのため、保健師を雇用するのは従業員数が多く、社内で健康管理を担当する人員の必要性が高い大企業になりがちであることが求人の少なさに繋がっています。

日本の企業において従業員が1000人以上の企業は全企業の1%未満しかありません。また、大企業は都心部や工業地域などに集まっていることが多く、都道府県や地域によって求人数に偏りが生じます。

こうしたことから、ひとつの求人に応募が多く集まってしまうため倍率は高くなりがちです。一人の採用枠に10人以上応募するケースも聞きます。

産業保健師が人気の理由

1.勤務時間が規則的

夜勤がなく一般的には残業も発生しにくいため規則正しい生活が送りやすく、ワークライフバランスを保ちやすいのは大きな魅力のひとつでしょう。休日も企業のカレンダー通りのため、土日祝日や年末年始、ゴールデンウィークやお盆もしっかりと休みが取れることが多いです。


業種や立地によってはビルなどのオフィス勤務ができることや、オフィスカジュアルで働けることも看護職にとっては魅力の一つかもしれませんね。

2.給与や福利厚生などの待遇がよい

保健師を雇用する企業は大企業が多く、給与が高く福利厚生も充実していることが多いです。看護師として夜勤や残業の手当てがあった方には給与が減ったように感じる可能性はありますが、基本給は高くなる場合が多いと思われます。

3.身体的負担が少ない

規則正しい勤務時間に加え、事務作業や面談対応など座っての業務が多いため、他の看護職と比べ身体的な負担が少ないことが多いでしょう。年齢を重ねても続けやすく、離職率が低いと言われている理由のひとつではないでしょうか。

産業保健師の求人の見つけ方

人気の産業保健師ですが、もともと採用人数が少ないことに加え、離職率が低いと言われています。そのため求人数が少なく、求人時期も退職者が出た随時のタイミングとなるため見つけにくいのが実状です。

では、どのように求人を見つけていけばよいのか、実際に転職活動をした際に活用した方法をいくつかご紹介します。

・看護職の転職サイトに登録する

看護職の中でも稀な産業保健師の求人は、看護職専門の転職サイトで扱われていることが多くあります。求人のタイミングも読めないことが多いため、早めに登録して希望を伝えておくとよいでしょう。

・ハローワークを活用する

働きたいエリアがあればその地域にあるハローワークへ行ってみましょう。各エリアに詳しい職員からそのエリアの求人の有無や求人が発生しやすい時期を聞くことができることもあるでしょう。看護職は求人サイトが数多くあるため意外とハローワークで見つけるという発想は抜けがちです。

ハローワーク |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

・ナースセンターを活用する

ナースセンターは各都道府県の看護協会が運営しており、看護職に対し様々な支援をしています。就労支援として全国の求人情報を紹介しており、応募から就職までは各都道府県のナースセンターがサポートしてくれます。

また、キャリアに関する相談も受け付けているため、転職にあたり心配事や迷いがある時には力になってくれることでしょう。求職活動と同時に今後のキャリア形成について考えてみる機会にされてはいかがでしょうか。

ナースセンターとは | 看護職の皆さまへ | 公益社団法人日本看護協会 (nurse.or.jp)

まとめ

人気が高く採用数が少ないこともあり求人が見つけにくい産業保健師。求人をどこで見つけるかを知り、こまめに求人の情報を確認したり、求人が出たときには連絡が来るように準備しておくとよいですね。

また、人気の理由と合わせ、なぜ産業保健師になりたいのか、企業にどう役に立ちたいのかも考えておくと、自分に合った働き方が見つけやすいかもしれません。

当サイトでは産業保健師になりたい方、産業保健師をされている方のお役に立つ情報を随時更新していきます。