健康経営に欠かせない!産業保健師の役割と探し方

健康経営に欠かせない!産業保健師の役割と探し方

2016年度に経済産業省が健康経営優良法人認定制度を創設し、企業における健康づくりの必要性が高まってきました。

しかしながら、健康経営に関する取り組みには専門的な知識が必要となるため適切な対策を立てて取り組みを行っていくことが難しく感じることもあります。

そんな時には健康管理や予防の専門家である産業保健師の活用を検討してはいかがでしょうか。

健康経営とは?

従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することを指します。具体的には、企業が従業員の健康に投資することで、従業員の活力や生産性を向上させ、結果的に企業の業績や価値の向上を目指す取り組みです。

健康経営を実践している法人を見える化することで、従業員や関係企業、金融機関などから評価を受けることができる環境を整備することを目的としています。

近年、取り組みは広がりをみせており、健康経営優良法人の認定企業は年々増加しています。

健康経営の担当者は誰が担当する?

産業医や保健師といった医学の専門家が社内にいない場合は、人事・総務部門の担当者が中心となることが多いと言われています。

しかしながら、専門知識が足りていない場合が多く、適切な管理や対策、評価を継続的に実践していくことが難しい場合も少なくありません。

健康経営には産業保健師の起用もオススメ

企業の健康管理は産業医や産業保健師が専門としています。

労働安全衛生法上、従業員が50人以上いる場合は産業医の選任が義務となっているので、聞きなじみのある方は多いのではないでしょうか。

産業医は医師のため、企業が導入するにはコスト面が課題になりがちです。そのような時には産業保健師の活用を検討してみるのがお勧めです。

保健師とは、看護職のひとつであり看護師免許を取得したうえで保健師国家試験に合格した者が得られる国家資格です。

保健師の中でも、企業で働く従業員が健康で安全に働ける職場環境づくりを仕事とする予防の専門家が産業保健師です。

健康経営で産業保健師ができること

健康経営において、産業保健師は非常に重要な役割を果たします。

2024年7月23日に行われた経済産業省の健康投資ワーキンググループにて、健康経営優良法人2025認定申請書の素案が公開されました。

認定基準の一覧を見てみましょう。

健康投資ワーキンググループ (METI/経済産業省)

各項目の要件を満たし申請を行うためには、メンタルヘルスや女性の健康、食生活の改善に向けた取り組み、感染症予防など幅広い項目を満たす必要があります。

幅広い知識が必要となり、社内の人事・総務担当者では適切な対策を導入することが難しい場合がありますが、これらは産業保健師を導入することでカバーできる範囲がぐっと広がります。

元々保健師は、赤ちゃんから高齢者まで様々な人々の健康の保持増進を役割としており、幅広い知識を有しているためです。

また、産業保健師は企業の健康課題をアセスメントし対策案を立案することも行っています。

各企業の現状に合った有効的な施策を人事・総務部門と連携しながら推進していくことが期待できます。

産業医や産業保健師がいない企業では、どのような健康課題が社内にあるのかが分からなかったり、どう取り組みを始めてよいかも迷うことが多くあります。

健康経営優良法人を目指すことだけでなく、会社そして従業員一人ひとりのために必要な対策を行うために、専門的な知識を持った産業保健師が力を発揮してくれます。

産業保健師はどこで探す??

企業の健康づくりにとって大きな味方となる産業保健師ですが、どのように見つければよいのでしょうか。代表的なものをいくつかご紹介します。

社内で保健師にどのように活躍してほしいかを検討し、最適な方法を見つけましょう。

自社の採用サイトや求人情報誌で募集

 この方法はコストが押さえやすいというのがメリットと言えるでしょう。しかし、初めて保健師を雇用する場合には、どのような人材が自社に適しているのか選択することが難しい場合も考えられます。

人材紹介会社や業務委託サービスを利用する

 効率的に探すことができ、採用後のミスマッチも減らすことが期待できます。どのような方が自社にマッチするのかを紹介会社に相談してみるのもよいかもしれませんね。

フリーランス保健師への業務委託

 開業している保健師は豊富な知識や経験を持っていることが多いので、高い専門性を期待できます。インターネットで検索するなどして、自社の求める取り組みに力を発揮できるであろう経歴を持っている方に相談してみるのもよいでしょう。

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産業保健師は企業の健康づくり、健康経営への取り組みに力を発揮してくれます。これから従業員の健康づくりに力を入れていきたい、もしくは、これまでの取り組みを強化していきたい企業様は、自社に合った方法で保健師を探してみてはいかがでしょうか。

双方のニーズがマッチし、社内での健康経営への取り組みがより良いものになるとよいですね。