産業医と合わないと感じた時の対処法は?コミュニケーションが対策のカギ

産業医と合わないと感じた時の対処法は?コミュニケーションが対策のカギ

産業医の角田拓実です。今回は相談の多い「産業医と合わないと感じる」時にどうしたらよいか?に関して説明を行っていきまうす。

産業医は職場を守っていく医師ですので産業医との関係は、良好な職場環境を築く上で非常に重要です。しかし、実際に産業医と合わないと感じてしまう人も少なくありません。調査によると産業医とのコミュニケーションに不安を感じているといわれており従業員は全体の25%に達するとされています。

産業医に相談がしにくいと感じるケースは決して少ないものではなく、あなただけの問題ではありません。

産業医とはどんな仕事?法令、実務、活用方法に関して徹底解説。

なぜ産業医に合わないと感じてしまうのか?

産業医の仕事は会社と従業員が円滑に業務を行えるように調整を行っていくことです。

しかしながら、少なくない医師が従業員の「健康」に関して重点を置きすぎてしまう傾向があります。

多くの産業医は病院で外来や手術などを行うかたわら企業に訪問することが多く、治療を生業とするためやはり会社や労働者の健康問題に注目する傾向があります。

また、パターナリズムといい「病院で治療を受ける際は自身がリードして患者はいうことを聞く」という昔ながらの概念を持っていることが少なくない傾向もあります。

この状況が合わさった場合、「会社の中で従業員の健康問題を治療し、問題を解決していく」という傾向が表れることがあります。

社会人としてコミュニケーションがうまく取れないケース

また、別のケースとして社会人としてのコミュニケーションが取りづらいということもあります。

医師は多くの場合、病院で「先生」として扱われます。また、人生のほとんどの時間を病院で過ごすためいわゆる「社会人のマナー」を欠いていることも時々あります。

これは治療を行っていく上で必要なことでもあるので悪いことでは無いのですが、「会社」という一般の空間ではミスマッチを起こしてしまう可能性があります。

この傾向が従業員や人事担当者を悩ませてしまうこともあります。

産業医をなかなか変更しずらい実情

それでは産業医と合わなかった際はどう対応すればよいでしょうか?

「産業医がバリバリできる先生に変更しよう」と思われるかもしれません。しかしながら多くの場合「地域の開業医の名士で付き合いが長い」「社長が懇意にしており付き合いが深い」など人事担当者からは変えづらい事情があることが多いです。

このような背景が担当者と従業員を悩ませてしまいます。

言うべきことはちゃんと話してコミュニケーションを

とはいえ、産業医も人間ですのでこちらの考えていることを説明しない限りはきちんと思いは伝わりません。

まずは時間を作り「こういう対処をして欲しい」「こういうことはやめてほしい」と伝えてみましょう。

もちろん最初は言葉を選びながら話していくことがよいでしょう。

産業医が納得してくれればよいですし、難しければ部長や社長など上長に事情を話しながら次の対策を行っていきましょう。

ミュニケーション上で問題になることは?

もっともよく話題に上がることはコミュニケーションの問題です。

  • あたりが強い
  • 独善的
  • 治療と病気のことを非難する
  • 恐ろしい将来を強く説明し脅す

などです。病気の治療の現場では必要なことではあるかもしれませんが、職場では強すぎるコミュニケーション手法です。

最終的には変更もありうる

地域の名士であっても会社の中できちんと業務を行って頂けなければ最終的には産業医の変更も出てきてしまうでしょう。

変更の際は「別の先生なら大丈夫」「大きな仲介会社だからまかせて大丈夫」ではなくきちんと情報収集を行いながら対応を進めていただくことが大切です。

まとめ

今回は産業医とのコミュニケーションがうまく取れない際の対応に関して説明を行いました。職場をサポートしてくれる存在でありながら、医療職という別の立場の存在のため気持ちや考えの上でミスマッチが起きることがあります。

まずはコミュニケーションをしっかり取った上で、対策を練り、難しい場合は別の産業医を選ぶことも視野に入れてはいかがでしょうか?

職場の健康問題解決ができるように引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

産業医/健康経営エキスパートアドバイザー 角田拓実