「血圧 180 だけど自覚症状ないし、本人は仕事続けたいって言ってるんですよ」
人事担当者の方からよくいただくご相談です。本人が元気を主張すると、上司も「本人がやる気あるなら…」と業務継続を選びがち。結果として、産業医の制限指示が現場で骨抜きになる——この構造が、過労死事案の手前でよく見る光景です。

放置するとどうなるか — 「元気な人」が突然倒れる流れ
- 第1段階:本人「元気です」、上司「やる気あるならOK」、産業医の制限が形骸化する
- 第2段階:数ヶ月〜数年後、突然の脳出血・心筋梗塞・自死で現場が止まる
- 第3段階:労災認定 + 民事訴訟。「健診で警告が出ていたのに、なぜ実効性のある制限ができなかったのか」が問われる
この事案で守るべきは社員の命と、企業の安全配慮義務。本人の「元気」発言を医学的に翻訳し、本人と人事を同じ土俵に乗せる説明ロジックが、産業医に求められる中心スキルです。
本人と人事を納得させる説明スクリプトの作成、産業医意見書のサンプル提示まで、現役産業医チームが対応します。
なぜ「自覚症状なし」の人ほど危ないのか

結論から言うと、本当に怖い疾患は、症状が出る頃には手遅れに近いからです。
高血圧:死ぬまで自覚症状が出ないことがある
高血圧 (収縮期 140 以上) は「サイレントキラー」と呼ばれます。日中の血圧が180を超えていても、頭痛・めまいといった症状はほとんど出ません。本人の体感では「ちょっと疲れてるかな」程度。
しかし血管の内側では、長年にわたって動脈硬化が進行しています。ある日突然、脳出血・脳梗塞・心筋梗塞という形で表面化。それまで「元気だった人」が、朝起きてこなかった——という事案を、現場で何度も見てきました。
メタボ・糖尿病:血管の慢性炎症は症状を出さない
メタボ (内臓脂肪 + 高血圧 + 脂質異常 + 高血糖) や糖尿病も同様です。慢性炎症が血管壁にダメージを蓄積させますが、本人にはまったく自覚されません。
「健診で引っかかってるけど、特に何もない」と本人が感じている時点が、実はもっとも介入余地が大きいタイミング。症状が出てからでは遅すぎる、というのが医学的な事実です。
メンタル:本人の自覚と症状の重さは一致しない
「いえ、自分はまだ大丈夫です。仕事続けられます」
うつ病・適応障害でもこれは典型的な訴えです。本人は「弱音を吐いてはいけない」「迷惑をかけたくない」と感じ、自覚症状を過小報告します。自死のリスクが最も高いのは、実は本人が「大丈夫」と言っている期間であることも、現場ではよく経験します。
この3つに共通するのは、「本人の自覚」と「医学的なリスク」が乖離しているということ。だから「本人が元気と言っている」ことは、何の安全担保にもならないのです。
本人を動かす3つの説明ロジック

自覚症状を主張する本人を「制限を受け入れる側」に動かすには、3つのロジックを組み合わせるのが効果的です。
ロジック1:医学的根拠で「症状なし=安全ではない」を示す
「症状がない=健康」は誤解。本当に怖い疾患は、症状が出る前に進行するという医学的事実を、本人に分かる言葉で伝えます。
- 「高血圧はサイレントキラーと呼ばれていて、自覚症状が出る頃には脳出血・心筋梗塞という形で出ます」
- 「あなたの血圧 180 は、症状はなくても血管の中ではダメージが蓄積している状態です」
- 「症状を待ってから対応するのは、医学的には『遅すぎる対応』です」
ロジック2:「数字」で具体的なリスクを示す
抽象的な「危険ですよ」では響きません。具体的な数字で示すと、本人の受け止め方が変わります。
- 「収縮期180mmHgは、脳卒中リスクが正常血圧の約3〜4倍と報告されています」
- 「月80時間の残業は、心血管疾患の発症率が約2倍に上がるレベルです」
- 「この組み合わせで、5年以内に重大事案が起きる確率は無視できません」
ロジック3:「未来時間軸」で家族と人生に接続する
「今」だけ見ると元気でも、「5年後」「10年後」「定年後」を見せると本人の判断軸が変わります。仕事だけでなく家族・人生の話に接続するのが鍵です。
- 「お子さんが大学を出るまで、健康で働き続けるためには、今の判断が分かれ目です」
- 「ご家族のためにも、今 3ヶ月だけ無理せず、治療時間を作りませんか」
- 「定年後の人生、健康な状態でスタートを切るための制限です」
人事担当者を巻き込む「経営合理性」ロジック

本人だけでなく、人事担当者・上司を「制限を実行する側」に巻き込むには、別のロジックが要ります。情緒的な説得ではなく、経営的合理性を示します。
「制限しないことのコスト」を可視化する
- 万が一の重大事案発生時の労災認定可能性 (構成として認定されやすい)
- 民事訴訟による安全配慮義務違反賠償 (数千万〜億単位の事例あり)
- メディア報道による企業ブランド毀損
- 残された同僚の心理的影響と離職連鎖
逆に、制限を実行することのコストは短期的な戦力の数十%ダウン程度。比較すれば「制限する方が経営合理的」と即答できます。
「専門家がいたのに対応しなかった」が最悪
労災認定・民事訴訟の現場で最も問われるのは、「専門家(産業医)が警告を出していたか」「会社が応じたか」です。
「産業医意見書で就業制限が指示されていたのに、会社が実行せず、その結果として事案が発生した」——この構成は、企業にとって最悪の経営判断として後に評価されます。本人が拒否しても、会社として実行を担保する責任があります。
本人 → 上司 → 人事 → 会社の「説得連鎖」
制限を実効性ある運用にするには、1人を説得するのではなく、関係者全員を同じ土俵に乗せる必要があります。
- 本人面談:3つのロジック (医学・数字・未来) で本人を理解側に動かす
- 上司面談:本人の業務調整と、制限事項の現場運用を擦り合わせる
- 人事面談:経営合理性ロジックで、制限実行の社内方針を確定する
- 会社合意:産業医意見書を根拠に、書面で制限内容と期間を確定する
この4段階を2週間以内に回すのが理想。長引かせると、本人の「元気アピール」と現場の都合が結合して、制限が骨抜きになります。
説得連鎖をスムーズに回す運用、現役産業医がご相談に乗ります
本人面談スクリプト、上司への業務調整ガイド、人事への経営合理性プレゼン、書面化フォーマットまで、ハイリスク社員1人につきセットでご提供。30分・初回無料・売り込みなし。労働衛生コンサルタント取得・取得目標の現役医師チームが対応。
無料相談を予約する 通常24時間以内に返信制限を出した後のフォローアップ — 形骸化させないために

制限を出して終わりではありません。3ヶ月単位での再評価サイクルを回さないと、形骸化します。
- 3ヶ月後:健診数値・勤怠の再確認、改善があれば段階的に制限緩和
- 6ヶ月後:主治医情報を再収集、業務適性の再評価
- 12ヶ月後:翌年度の健診結果を踏まえて、制限の継続/終了を判定
「制限したら終わり」ではなく、「制限 → 治療時間確保 → 数値改善 → 段階的解除」のサイクルを設計することが、本人にとっても会社にとっても良い結果を生みます。
相談前に準備していただく「3つの資料」
無料相談を受けていただく前に、以下3つを揃えていただくと、初回30分で説得スクリプトのひな形をご提供できます。
- 該当社員の健診結果サマリー (血圧・脂質・血糖・BMI・腹囲、要再検査・要医療判定)
- 本人の主張内容メモ (「元気です」「仕事を続けたい」など、面談で出た発言)
- 会社/上司側の懸念点 (「人手不足で外しにくい」「本人のやる気を尊重したい」など)
※ 個人情報を含むため、無料相談時はマスキング (氏名・社員番号を伏せる) でも十分です。
まとめ — 「元気アピール」を医学的に翻訳するのが産業医の仕事
- 本当に怖い疾患は、症状が出る頃には手遅れに近い (高血圧・メタボ・メンタルすべて)
- 本人を動かす3ロジック:医学的根拠 / 数字 / 未来時間軸
- 人事を動かす1ロジック:経営合理性 (制限しないコスト >> 制限するコスト)
- 本人 → 上司 → 人事 → 会社の説得連鎖を 2週間以内に回す
- 制限後は3ヶ月単位での再評価サイクル
「本人が元気って言ってるんですよ」と困っている人事担当者の方、30分の無料相談で説得スクリプトのひな形をご提供します。売り込みは一切ありません。
自覚症状なし社員の説得、現役産業医チームが無料でご相談に乗ります
30分・初回無料・売り込みなし、無料相談で説得スクリプトのひな形をご提供します
本人説得の3ロジック (医学・数字・未来)、人事への経営合理性プレゼン、書面化フォーマットまでトータル支援。労働衛生コンサルタント取得・取得目標の医師ネットワークが、貴社のハイリスク社員対応を支えます。
✓ ご相談=申込ではありません ✓ 営業電話なし ✓ 24時間以内に返信



