産業医とのスケジュール調整のコツは?3つのポイントを紹介します。

産業医とのスケジュール調整のコツは?3つのポイントを紹介します。

「産業医は医師だから対応が難しそう」「スケジュール調整って難しそう…」と感じている方もいるのではないでしょうか?

産業医は従業員の健康管理や職場環境の改善に欠かせない存在であり相談できる範囲は多岐に渡ります。

一方で、多忙な産業医とのスケジュール調整は、悩みの種になることも。

この記事では、現役産業医が教える、スムーズなスケジュール調整のコツや、相談内容のヒントを紹介します。産業医との面談を有効活用し、より働きやすい環境を実現しましょう。

産業医とはどんな仕事?法令、実務、活用方法に関して徹底解説。

産業医とのスケジュール調整における基本的なコツ3点

産業医のスケジュール調整のコツに関して説明を行っている画像。

産業医の面談や相談は、従業員の健康管理や職場環境の改善のためにとても大切です。しかし、「産業医の先生は忙しそうで、なかなかスケジュール調整が難しい…」と感じている方もいるかもしれません。

確かに、多くの産業医は病院やクリニックの業務や複数の企業を担当しています。

私の友人であるA先生も、毎日違う会社に出向いていて、まるで企業を渡り歩く渡り鳥のようです。さらに、産業医自身の診療業務や研究活動を行っている場合もあり、時間管理はまさに壮絶な戦いです。

そこで今回は、産業医とのスケジュール調整をスムーズに行うための基本的なコツを3つ、現役産業医である私が伝授します。

週と曜日を設定する重要性

産業医は、担当する企業ごとに訪問する曜日が決まっている場合が多いです。例えば、A先生は月曜日はA社、火曜日はB社というように、曜日ごとに担当企業を決めています。これは、訪問スケジュールを効率化し、企業のニーズに迅速に対応するためです。

そのため、週の始めや月末など、特定の曜日をあらかじめ決めておくと、産業医の訪問スケジュールと調整しやすくなるため、おすすめです。「毎月、第2水曜日の午後」のように、曜日と時間帯を固定しておけば、産業医も他の予定を入れやすくなります。

産業医との面談も、事前に日時を決めておくことで、スムーズに予約できる可能性が高まります。

また、産業医の訪問スケジュールが事前に分かっていれば、それに合わせて衛生委員会や職場巡視の告知などの予定を調整することも可能になります。

変更やドタキャンの避け方

産業医との面談や相談の予定を変更せざるを得ない場合、できるだけ早く連絡することが大切です。これは、社会人としての常識であると同時に、産業医の貴重な時間を無駄にしないための配慮でもあります。

急に予定が入ってしまった場合は、正直に理由を説明し、謝罪の言葉を添えましょう。「本日は誠に申し訳ございません。急な来客があり、やむを得ず面談を延期させていただけないでしょうか?」といった具合です。その際、変更後の日程候補をいくつか提示することで、スムーズに調整を進めることができます。

ドタキャンは、産業医との信頼関係を損なうだけでなく、他の従業員にも迷惑をかける可能性があります。医師に関しても患者さん対応や他企業の合間で時間を作って訪問をしています。場合によっては追加の訪問料がかかってしまう場合もあります。

やむを得ない事情でキャンセルする場合は、可能であれば電話で直接謝罪し、改めて予約を取り直すようにしましょう。

多忙な産業医を理解するポイント

産業医は、企業の従業員の健康管理だけでなく、労働安全衛生法に基づいた様々な業務を担っています。定期的な職場巡視、健康診断の結果や過重労働の状況把握、メンタルヘルス対策など、多岐にわたる業務をこなしています。

これらの業務に加えて、産業医自身の診療業務や研究活動を行っている場合もあるため、非常に多忙であることを理解しておくことが重要です。産業医の業務内容やスケジュール感を理解した上で、余裕を持ってスケジュール調整を行うように心がけましょう。

例えば、面談や相談の内容を事前に伝えたり、質問事項をまとめておくことで、産業医の負担を軽減することができます。

産業医との良好な関係を築き、円滑なコミュニケーションを取ることは、従業員の健康管理、ひいては企業の生産性向上にも繋がります。

産業医とのスケジュール調整は、最初は戸惑うこともあるかもしれません。しかし、これらのポイントを心掛けることで、よりスムーズに、そして良好な関係を築きながら進めることができます。

具体的な産業医訪時間変更の方法

なるべく固定したほうが望ましい産業医訪問です。

しかしながら、産業医の訪問変更に関してどうしても依頼しなければならないのは実情でしょう。

今回は産業医訪問の変更に関して説明を行っていきます。

産業医訪問の変更依頼

産業医業務は個人の産業医や産業保健提供サービス企業によって管理されています。したがって、公的な施設とは違い普通の仕事と一緒です。「この方法で変更を届け出なさい」といったものは決まっていません。

多くの産業医や産業保健企業はルールに従ってスケジュール変更はしてくださいといったものが存在しています。

「病院に電話等で連絡をしてください」「事務所職員に連絡を」「産業医に直接連絡を」「企業担当者に連絡を」「使用しているアプリで連絡」など様々です。

会社によっては旅行のようにキャンセルポリシーが決まっており何日前までに必ず連絡をしてくださいなどと説明を受けることもあります。

産業医は病院やクリニックの経営などのスケジュール調整の中企業に訪問していることも多いので、変更=その月の訪問がキャンセルになってしまうことも少なくないでしょう。

多くの契約では月額業務委託料として報酬を支払うケースが多いため、報酬だけ払うということもあるので注意が必要です。

直前でキャンセルの場合

どうしても時間が作れなくなってしまった場合や緊急の仕事が入ってしまった場合は産業医を直前でキャンセルする必要に迫られる場合もあるでしょう。

このようなケースでは実際に産業医は移動を始めている場合も多く、実質的に業務に入っているといっても過言ではない状況です。(産業医は業務委託契約が一般的ですので移動は業務に含まれませんが。)

一般的にドタキャンが大変迷惑が掛かるように産業医にとっても時間的・費用的コストがかかるものです。

対応困難が発生する場合は可能な限り、確実に連絡が繋がる方法で連絡することが大切です。

こちらも紹介会社の規定や産業医契約に基づき報酬はお支払せねばならず、振替には追加料金がかかるケースも多いです。

追加訪問の依頼はどうする?

優秀な産業医ほど多くの企業からオファーが来るものです。

どうしても問題の発生や急な面談の応需もあるかと思われます。追加訪問が必要な場合もあるでしょう。

こちらに関してももともと約束していた連絡方法で相談を行っていくことが必要です。

しかしながら、緊急で相談しなければならない問題に関しては「すぐに連絡が付く」方法で行うことも必要でしょう。

あらかじめこの方法で連絡しますと産業医と相談をしておくことが大切です。

まとめ

産業医とのスケジュール調整は、従業員の健康管理や職場環境改善において重要です。

しかし、産業医は多忙なため、スムーズな調整が難しい場合があります。そこで、本記事では、現役産業医が教える、スケジュール調整のコツを複数紹介しました。

まず、産業医は担当企業ごとに訪問曜日を決めている場合が多いので、週と曜日を固定して予約すると、調整がスムーズになります。

次に、変更やドタキャンは、産業医の貴重な時間を無駄にするだけでなく、信頼関係を損なう可能性があるため、できるだけ早く連絡することが大切です。

最後に、産業医は多岐にわたる業務をこなしているため、多忙であることを理解し、余裕を持ってスケジュール調整を行いましょう。

これらのポイントを心掛けることで、産業医との良好な関係を築き、スムーズなスケジュール調整を実現することができます。ぜひお互いの時間を大切にしながら業務を円滑にしていただければ幸いです。