こんにちは。産業医の角田拓実です。
今回はよく質問を受ける「産業医が選任時に労働衛生コンサルタントの合格証を提出してきたけど、日本医師会の認定証は無くても大丈夫?」に回答していきたいと思います。
結論からいうと労働衛生コンサルタントの合格証があれば、日本医師会の認定書は必要ありません。
今回はその理由と提出時のポイントを解説していきます。
産業医の資格と言えば一番代表的で数が多いものは「日本医師会認定産業医」です。(全国に10万人近く有資格者がいるといわれています。)
実は医師会認定産業医以外にもいくつかの産業医の資格が存在しています。
具体的には以下のように規定されています。(労働安全衛生法13条)
(労働安全衛生法13条 第2項)
産業医は、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識について厚生労働省令で定める要件を備えた者でなければならない。
(労働安全衛生規則14条 第2項)
法第十三条第二項の厚生労働省令で定める要件を備えた者は、次のとおりとする。
一 法第十三条第一項に規定する労働者の健康管理等(以下「労働者の健康管理等」という。)を行うのに必要な医学に関する知識についての研修で
あつて厚生労働大臣の指定する者(法人に限る。)が行うものを修了した者
二 産業医の養成等を行うことを目的とする医学の正規の課程を設置している産業医科大学その他の大学であつて厚生労働大臣が指定するものにお
いて当該課程を修めて卒業した者であつて、その大学が行う実習を履修したもの
三 労働衛生コンサルタント試験に合格した者で、その試験の区分が保健衛生であるもの
四 学校教育法による大学において労働衛生に関する科目を担当する教授、准教授又は講師(常時勤務する者に限る。)の職にあり、又はあつた者
五 前各号に掲げる者のほか、厚生労働大臣が定める者
黄色のマーカーの通り、労働衛生コンサルタントの資格を持った医師は産業医としての資格を持つことになります。
したがって産業医の選任の際は「労働衛生コンサルタントの合格証」があれば大丈夫なのです。
産業医選任時には申請書+医師免許+資格を提出する必要があります。
労働衛生コンサルタントの場合はどう対応すればよいでしょうか?
具体的には下記の部分を「3」と記入すれば問題ありません。
申請書類の裏側を見ていただくと資格で書かれているように区分されているためです。
引用:総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
解説したように労働衛生コンサルタントの産業医選任は難しくありません。また労働衛生コンサルタントの合格証+医師免許で選任届が受理されます。
産業医に「労働衛生コンサルタントの合格証でもいいですか?」と相談された際はぜひ今回の記事を参考に選任届を提出してみてください。