「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が変更されます。

「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が変更されます。

「過労死等の防止のための対策に関する大綱」に関わる変更が令和6年8月2日に閣議決定されました。

過労死の認定数は支給決定ベースでも増え続けています。特に精神疾患は右肩上がりであり今後のさらなる増加が見込まれます。少しずつ減少傾向であった心血管疾患に関しても微増が続いており今後の対策が重要です。

今回は国が新たに決定した過労死対策の変更点とそのポイントに関して紹介を行っていきます。

ポイント1現状の振り返り

過労死に関わる体毛の10年を振り返りさらに取り組みを促進していくようです。研究成果の振り返りや今後の対策を一層進めていくようです。

前述した通りメンタルヘルスでの過労死が急増しています。過労死に至らないまでも職場の要素を含んだ精神疾患は増え続けています。注意深く現状把握を行っていただきたいです。

ポイント2残業時間規制の徹底化

いわゆる2024年問題で全面規制された労働時間の上限の徹底を行っていくようです。過労死の原因の多くは過重労働によるものが多いため期待が高まります。こちらはトラック運送業・医療従事者・建設業が主な対象です。また、教職に関しても言及された点は重要です。

またフリーランスに関わる規制強化も合わせて取り組みを強化していくようです。フリーランスが増えてきた時代ですのでフリーランスの方の労働安全衛生も非常に重要です。

ポイント3ハラスメントへの一層の対策

業種やハラスメントに注目した調査や分析を充実させるようです。特に新たに芸術や芸能の分野も追加したハラスメント対策が行われていきます。なお現行では自動車運転従事者、教職員、IT産業、外食産業、医療、建設業、メディア業が寿点業種でした。

また話題のカスハラ(カスタマーハラスメント)への一層の対策を進めていくようです。

産業医として業務に当たるうちにもハラスメント類似の行為を見かけることがしばしばあります。国としてさらなる周知や対策が必須の分野であると言えるでしょう。

ポイント4国以外の各種ステークホルダーの参画

国を主体にするだけでなく中小企業団体、地方自治体、労働組合といった各種機関が協力して過労死対策に取り組んでいく姿勢を明確化しました。

各種ステークホルダーが対応することでさらなる過労死対策の実施が期待できます。

まとめ

現場の一産業医としては過労死対策にはまだまだ課題が残る現状だと考えています。

国として対策を行っていくだけでなく今回の改定のように地方自治体や労働組合といった多くの機関の参画、また企業自身の対策をより一層進めていく必要があると考えます。

まずは実際の動きに注目をしていきたいところです。