朝食を抜くと生産性が下がる?健康経営における朝食習慣の改善

朝食を抜くと生産性が下がる?健康経営における朝食習慣の改善

こんにちは。

管理栄養士の内海弥生です。

一日のスタートに欠かせない重要な食事。それが「朝食」です。

皆さんはきちんと毎日摂れていますか?

現代のビジネスパーソンにとって、朝はとても忙しい時間帯です。仕事の準備や移動に追われ、朝食を欠食することが多くなってしまうことはないでしょうか?

朝食欠食がどのような影響を考えるのか、仕事のパフォーマンスや健康に大きな影響を与えることがあり、多くの研究から示唆されています。

この記事では、企業における「朝食欠食」の問題に焦点をあて、健康経営の視点から、従業員の朝食習慣を改善するそのための具体的な取り組みについて解説します。

朝食欠食が与える影響

朝食欠食が与える体に影響

朝食を摂らないことは、大きな健康リスクを伴います。

  1. エネルギー不足による業務効率の低下
  2. 疲労感とストレスの増加
  3. 生活習慣病のリスク増加
  4. 生活リズムが乱れやすく便秘の原因に

エネルギー不足による業務効率の低下

朝食は、一日の活動に必要なエネルギーを補給する重要な食事です。

朝食を抜くと、体内の血糖値が低下し、脳に必要なエネルギーが行き渡らないことにより、エネルギー不足に陥り、集中力が低下してしまいます。

なかなか集中力が持続しないことから、仕事におけるミスが増えたり、業務の効率が低下したりしてしまいます。

デスクワークや会議が多いビジネスマンにとっては、朝のエネルギー補給が重要な鍵となるのです。

疲労感とストレスの増加

朝食を摂らずに午前中に仕事をこなすと、エネルギー不足からくる疲労感やストレスが増加します。

特に血糖値が大幅に低下する「低血糖状態」は、イライラや不安感を助長します。

朝食欠食の問題は、単にエネルギーが不足することだけではありません。

その他の栄養素も朝食を欠食することで不足します。これにより、体温が上昇しにくく、なんとなく体調が優れない・悪いといった状態となります

長期このような状態が続くと、モチベーションや仕事の効率がさらに低下する恐れがあります。

生活習慣病のリスク増加

朝食を欠食することは、肥満や生活習慣病のリスクを高めることが知られています。

朝食を欠食することで、空腹状態をなんとかしようと昼食や夕食での食事量が多くなります。

それだけでなく、一定の時間内に食事を食べようとするために、食べるスピードも早くなります。

昼食や夕食で過食傾向が強くなり、早食い傾向となるために、満腹中枢に「満腹ですよ」という信号が到達する前に食事が終了となります。

すると、なかなか満腹を感じにくく、さらに食事量が増えるといった負のサイクルに陥ります。

さらには、空腹状態を満たすために、丼ものやラーメン、チャーハンなどといった炭水化物や脂質中心の食事になることが多く、エネルギーや栄養バランスが偏った食事となります。

このことが原因となり体重増加や肥満、さらには糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病のリスクを助長することに繋がります。

朝食欠食は、「単に時間がないために朝食を抜いている」のではなく、企業の医療費や健康診断のフォロー後のコストアップが大幅に増加する可能性があります。

生活リズムが乱れやすく便秘の原因に

朝食を摂ることにより、胃の中に食べ物が入ることで、腸内が蠕動運動を起こし、便を排泄するように直腸へ送り出します。

朝食を欠食することで、結果として排便のリズムが乱れ、便秘の原因となることもあります。

便秘と一口に言っても、水分や食物摂取不足、運動不足だけでなく、朝食欠食などの体内リズムの乱れなども便秘の要因の一つとなり得ます。

健康経営における朝食習慣の重要性

健康経営における朝食習慣の重要性

健康経営とは、従業員の健康が重要な経営資源と捉え、企業が従業員の健康を守りながら生産性を向上させる経営スタイルです。

企業の利益向上やコスト削減を目指す中で、朝食習慣の見直しは健康経営を推進する上で重要な要素となり得ます。

業務パフォーマンスの向上

朝食を摂ることで集中力が向上し、業務の効率が上がります。

朝食を摂ることで問題解決能力や作業スピードが向上することが示されており、結果的に業務全体のパフォーマンスが向上します。

さらに、朝食習慣を身につけることで健康状態が改善し、病気による欠勤が軽減される可能性が高まります。

免疫力が高まることにより、インフルエンザなどの感染症のリスクも軽減します。

従業員の満足度向上

健康経営の前提として企業が従業員の食生活を支援することで、従業員の業務パフォーマンスの向上や健康状態にプラスに働くため、従業員の会社への満足度や報酬に対する満足度も向上します。

企業が取り組むべき朝食習慣の改善策

健康経営において企業が取り組むべき朝食習慣の改善策
  1. 社内での朝食提供サービスの導入
  2. セミナーやキャンペーンの実施
  3. オンライン栄養指導やサポートの活用

社内での朝食提供サービスの導入

企業が朝食を提供することで、従業員の朝食欠食を防ぐことができます。

大規模な企業やオフィスにおいては、社内カフェや食堂で、果物や全粒パン、ナッツ、ヨーグルトなど、低脂肪かつ高タンパク質のメニューやサンドイッチやおにぎりなど手軽に食べられる朝食を提供することで、従業員が朝食を摂ることができる環境を整えることができます。

セミナーやキャンペーンの実施

朝食の重要性について十分に理解していない従業員に対して、管理栄養士や専門家を呼んでセミナーを開催することも有効です。

社内で朝食の習慣を促進するためのキャンペーンを実施し、楽しく充実した仕組みを作ることで従業員の参加率を高めることができます。

オンライン栄養指導やサポートの活用

オンラインでの栄養指導やサポートも有効です。

管理栄養士によるオンライン栄養指導や朝食に関するアドバイスを提供することで、従業員が自分に合った朝食を簡単に見つけられるようにします。

朝食は企業の成功への一歩

企業が従業員の健康を守り、パフォーマンスを最大化するためには、朝食欠食という問題に真剣に取り組む必要があります。

朝食欠食を防ぐ取り組みを行い、従業員が健康的な食生活を送れるようにサポートすることは、健康経営の基本的なステップです。

朝食提供の導入や啓発活動など、企業ごとに適した取り組みを選択し実行していくことで、従業員が健康的で充実した生活ができる環境を整えましょう。