職場での間食と飲み物に注目する重要性とは?効果的な選び方と実践ポイント【管理栄養士が解説】
こんにちは。管理栄養士の内海弥生です。
デスクワークが中心で、気がついたら糖質が多い菓子類や清涼飲料水を常に摂ってしまっているということはありませんか? 今回は、上手な間食の取り入れ方と飲み物の選び方について解説していきます。
日々の食事や間食、飲み物の選択の仕方で健康に影響を与える!?
企業の生産性を向上させ、従業員の健康を維持・向上するために注目される「健康経営」。その中でも、栄養管理は欠かせない要素です。
特に従業員の日々の食事や間食、飲み物の選択は、エネルギーレベル、集中力、さらには生活習慣病のリスクに大きな影響を与えます。
この記事では、「間食と飲み物」に焦点をあて、上手な間食の取り入れ方と飲み物の選び方についてを詳しく解説していきます。
間食と飲み物の役割
従業員の健康を支えるために、食事の質はもちろんのこと、間食や飲み物の選択も大切です。
間食や飲み物は、ただ「おやつ」や「飲み物」という認識に残らず、日々のエネルギー供給、血糖値のコントロール、さらには集中力や作業効率にも影響を与えます。
間食の役割
間食は1日の食事中に摂取する軽食であり、業務中のエネルギー補給として重要な役割を果たします。
特に、昼食と夕食の間が長く開く場合や、業務が長時間続く場合に、間食が適切に選ばれることで、従業員は効率的にエネルギーを補充し、疲労感を軽減することができます。
また、食事の合間に軽食を摂ることは、血糖値の急上昇・急降下を防ぎ、安定したエネルギー供給を実現するためにも役立ちます。
ただし、1日のエネルギー摂取量が過剰になる際は、頻回に食事を摂ることにも注意が必要です。
飲み物の役割
エナジードリンクや砂糖を多く含む清涼飲料水、カフェインが過剰に含まれる飲み物は、短期的にはエネルギーを感じさせるもの、長期的には健康に悪い状況が起こります。
砂糖などの糖類を多く含む清涼飲料水を飲むと、一気に血液中の血糖値が上昇します。
これにより、体は高血糖状態となります。
高血糖状態になると、血糖値を下げるホルモンである「インスリン」が過剰に分泌され、集中力の低下、眠気の出現など負のサイクルを引き起こします。
また、砂糖などの糖類を多く含む清涼飲料水は、高血糖状態を容易に引き起こしやすく、通常の血糖値の状態に戻しにくい状態を体の中で作り出します。
この高血糖状態が、糖尿病のリスクを上昇させます。
適切な水分補給は、体内の正常な代謝機能に必須であり、業務中の集中力を維持することに繋がるため、従業員にとって適切な飲み物の選択は非常に重要です。
健康的な間の食事と飲み物の選び方
間食や飲み物を選ぶ際には、以下のポイントに気を付けることを大切です。
- 栄養価の高い間食の提案
- 健康的な飲み物の選択
栄養価の高い間食の提案
間食は、カロリーが低く、栄養価の高い食品を選ぶことが重要です。
ただ感覚を満たすだけではなく、必要なエネルギーと栄養素を効率良く補給しましょう。
長時間の集中を守るためには、以下のような食品が適しています。
・ナッツ類(アーモンド、クルミ、カシューナッツなど)
ナッツ類は、良質な脂肪酸と食物繊維、ビタミンEを含み、血糖値の安定性と満足感の向上に役立ちます。
砂糖を含まない無添加のもの、ノンフライのものを選ぶことがポイントです。
・ヨーグルト(無糖・低脂肪)
ヨーグルトは、腸内環境を整えるプロバイオティクスを含んでおり、消化を助けるだけでなく、タンパク質を補給できる食品です。
特にパルテノやオイコスといったギリシャヨーグルトはタンパク質が豊富で、筋肉の維持やエネルギー代謝をサポートします。
・フルーツ(りんご、バナナ、ベリー類など)
フルーツはビタミンやミネラル、食物繊維が豊富で、自然な糖分でエネルギー補給ができます。
食物繊維が血糖値の上昇を緩やかにし、満足感を得やすいというメリットもあります。
ただし、ドライフルーツは、手軽に食べやすく、「気がついたら食べ過ぎていた」という原因にも繋がるため、食べ過ぎには注意しましょう。
・全粒クラッカーやシリアルバー
全粒クラッカーやシリアルバーは、炭水化物を補給できる間食として優れていますが、必ず砂糖や添加物の少ないものを選びましょう。
食物繊維が多く、消化がゆっくりであるため、腹持ちが良いです。
間食を選択する際は、カロリーが低く、栄養価が高いといった商品を選択することをお勧めします。また、栄養情報を確認する習慣をつけることもお勧めです。
健康的な飲み物の選択
特に、砂糖やカフェインの多い飲み物を避けることで、従業員の健康を守ることができます。
・水
最もシンプルでありながら、最もお勧めの飲み物が水です。
体の約60%は水分でできており、適切な水分補給は全身の機能を通常に守るために注意です。
水分摂取が極端に少ないことで、頭痛の原因となり、集中力の低下に繋がるため、こまめな水分摂取が推奨されます。
・緑茶やハーブティー
緑茶やハーブティーは、カフェインが少ないか、全く含まれておらず、抗酸化作用が期待できます。
特に緑茶に含まれるカテキンは、脂肪燃焼や免疫力の向上に最適です。
・無糖の炭酸水
無糖の炭酸水は、水分補給されながらも爽快感が得られる飲み物として人気です。
砂糖や人工甘味料を含まないため、安心して飲める飲み物です。
・豆乳やアーモンドミルク
牛乳の代替品として、豆乳やアーモンドミルクは低カロリー、低糖質な飲み物です。
豆乳やアーモンドミルクにも人工甘味料が添加されているものがあります。無糖タイプや低糖タイプを選択しましょう。
健康的な間食と飲み物から得られる効果
間食や飲み物の選択を改善することで、健康経営において大きな効果が得られることが確認されています。
その中でも、主なメリットは以下の通りです。
- エネルギーレベルの維持
- 健康リスクの軽減
- メンタルヘルスへの影響
エネルギーレベルの維持
正しい間食は業務の合間にエネルギーを補給し、体感を満たしながらも疲労なエネルギー摂取を確保します。
ナッツやヨーグルト、フルーツなどの栄養価が高く消化が緩やかな食品は、急激な血糖値の上昇を引き起こしにくいとされています。
従業員は午後の時間帯でも安定したパフォーマンスを発揮でき、集中力を維持しやすくなります。
健康リスクの軽減
砂糖や脂肪分の多い間食や飲み物は、過剰に摂ることで肥満や生活習慣病(糖尿病、高血圧、心血管疾患など)のリスクを高めます。
低カロリーの食品を選ぶことで、これらのリスクを軽減し、従業員の健康維持に役立ちます。
メンタルヘルスへの影響
血糖値の安定が気分の安定にも繋がることが知られており、間食や飲み物の選択が精神的な安定感をサポートします。
カフェインの過剰摂取を避け、ハーブティーや水などの穏やかな飲み物を選ぶことがストレスを軽減し、リラックスした状態で仕事に取り組むための一助となります。
健康経営における今後の展望
健康経営の取り組みが広がる中で、従業員の食習慣や飲み物の選び方の意識についてはますます重要な要素となっています。
特に、テレワークやフレックスタイム制など、働き方の多様性が進む中で、従業員自身が健康的な選択を自律的に行うことが求められる場面も増えています。
正しい間食や飲み物の選択について知っていくことが重要です。
メンタルヘルスと生活習慣病予防の鍵を握る間食と飲み物
健康経営における間食や飲み物の選択は、従業員の健康維持だけでなく、企業全体の生産性向上にも大きく貢献します。
メンタルヘルス、さらには生活習慣病のリスク軽減にも影響する要素です。
管理栄養士の役割は、従業員が日常的に健康的な選択を決めようサポートすることです。
従業員が適切な間食や飲み物を選べるよう支援することで、企業全体の健康経営の取り組みがより効果的になっていくことでしょう。