多方向から働く人を支援する「産業医の横顔」vol.7薮野淳也先生

Profile:産業医・心療内科医。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、徳島大学医学部にて医師免許を取得。得意分野は職場のメンタルヘルスと運動療法。産業医としてスタートアップ系企業から東証プライム上場企業まで、10社以上の様々な規模・職種の企業の産業業務保健業務に従事。留学経験を活かし、外資系企業と在日外国人従業員の健康管理も得意としている。南青山にビジネスパーソンのための内科・心療内科「Stay Fit Clinic」とフィットネスジム「CrossFit Aoyama」を開設し院長・オーナーを務める。職場の健康問題最前線を知る産業医の経験があるからこそできる働く人々のためのサービスを提供し、働く人の健康管理とパフォーマンス向上、企業の生産性向上と業績UPを目指している。資格:認定産業医/認定スポーツ医/健康運動指導士/健康運動実践指導者

ーー今回の産業医インタビューは東京都でビジネスパーソンのためのクリニック・フィットネスジムを経営している薮野淳也先生にインタビューをさせていただきます。よろしくおねがいします。

薮野先生:こんにちは。産業医で心療内科医の薮野淳也です。よろしくお願いします。

ーー改めてよろしくお願いいたします。先生は慶応大学を卒業後、医学部を卒業されているのですね。

薮野先生:はい。その影響もあって在学中から公衆衛生・医系技官(※)・産業医といった社会と接点のある分野に進みたいと考えていました。医師の初期研修修了後は慶応大学のMPHで公衆衛生学を学びました。同世代の方や働く人の力になりたいと考えてきていました。

※医系技官:厚生労働省で働く公衆衛生に関わる公務員の医師

ーーその中で産業医の道を選ばれたのですね。

薮野先生:産業医は医師でありながらビジネスマンという側面もあります。ビジネスの現場の人に直接会ってコミットできることが魅力です。医療の知識を持って日本を支えている世代をサポートできることが楽しいと感じています。

ーー産業医として働いてやりがいはどのようなところに感じますか?

薮野先生会社と働いている方々の問題解決をいかにするか?が醍醐味です。個人や企業の抱える問題を医学の知識を持って対応できます。働く世代の多種多様な人々、例えば、人事の方・外資系の方・若くしてハードワークをする方たちから刺激を受けることも多いです。

ーー産業医の活動の中で注意していることはありますか?

薮野先生:医師の世界とは全く違うということは常に意識をしています。特に社会人としてのマナーは必須ですね。コンサルタントの一面もあるので立ち振る舞いにも注意しています。安衛法に基づき仕事をしていますが押し付けすぎにも気を付けています。

ーーIT系での活動が多いようですが業界の特徴はありますか?

薮野先生人間関係やプロジェクトのミスマッチによるメンタル不調が目立ちますね。働けないならしっかり休んでもらうことが大切です。ご本人には「あなたが働くためにはどういった問題を解決すればよいでしょうか?」と疑問を投げかけることもあります。環境に関しては産業医として企業と調整ができる部分もあります。

ーークリニックの運営も併せて行ってみえる理由はなぜですか?

薮野先生:産業医として仕事をする中で体調不良の社員の日常生活や健康診断後のサポートがしっかりできないと感じる部分がありました。やはり食事・睡眠・運動が整っていないとビジネスパーソンとしてパフォーマンスも出ず、活躍できなくなる時が来てしまいます。そんな中で自分自身がクリニックとフィットネスジムを作れば、生活リズムを整えてしっかりと体を動かしながら体調管理ができる仕組みが作れると考え設立に至りました。

ーー産業医が運営するフィットネスジムの特徴はありますか?

薮野先生WHOの定義である社会的な健康(※)ということも意識しています。私のフィットネスジムではグループのクラスを作ることでコミュニティを通して健康になれる仕掛け作りをしています。また自身のクリニックであるStay Fit Clinicと連携して、指定運動療法施設としての運動療法も実施しています。運動習慣を定着させたいビジネスパーソンやクリニックから来た休職中の人も、様々な人が運動を通して心身共に元気になってパフォーマンスを上げています。

※WHOは健康の定義を「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態」としている

ーーこれから産業医を目指す先生にメッセージはありますか?

薮野先生:産業医は面白いです。会社の健康問題を解決していくことでこれからの日本を支える世代をしっかり支援できるところが魅力ですね。ただ、産業医は会社に1人が基本です。1人で判断をしなければならないことが非常に多い孤独な戦いです。産業保健領域のいろいろな人としっかりとつながりを持っておきましょう。コミュニティなどがあれば入っていくとよいでしょう。

ーー職場担当者の方へのメッセージもいただけますか?

薮野先生:職場で起こる問題に関して、健康とキャリア(評価・プロジェクト・人間関係)は切り離して考えるとうまくいくことが多いです。「健康問題かな?」と頭をよぎるようであれば産業医の出番です。産業医は起こっている問題が健康問題なのかしっかり切り分けて提案してくれます。困った際は気軽に産業医にご相談ください。

ーー薮野先生インタビューありがとうございました。今回も貴重なお話を伺うことができました。薮野先生に産業医の仕事を依頼する際は下記のリンクからホームページでお問い合わせください。本当にありがとうございました。

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