「内科医・パーソナルドクター・産業医で三刀流」そのワケは?産業医インタビュー「産業医の横顔」vol.2松田悠司先生

Profile:あいち松田産業医事務所代表産業医、合同会社リタニティ代表社員、株式会社welnessパーソナルドクター。消化器内科専門医、日本医師会認定産業医、パーソナルドクター。滋賀医科大学を卒業、愛知県内の基幹病院にて消化器内科医として活躍。診療を続けるうちに予防医学の大切さに気が付いたことがきっかけで株式会社welnessにてパーソナルドクターとして活動開始。職場での予防医学にも注目しており現在は産業医業務にも従事。様々な医学領域の垣根を越えてマルチに活躍している。

ーー本日は消化器内科専門医でありながらパーソナルドクターや産業医とマルチに活躍する松田悠司先生にインタビューをさせいていただきます。本日はよろしくお願いします。

松田先生:こんにちは。本日はよろしくお願いします。

ーーさっそくですがパーソナルドクターは職場健康管理の世界ではあまりタッチしない領域です。具体的にどんなお仕事ですか?

松田先生:主に個人の方を対象とした健康指導サービスです。現在人間ドックや健診が有効活用できていない状況が非常に多く、実際「結果の紙にD判定と書いていなければOK」と考える人が非常に多いのが現状です。

ーーそれは職場でもしばしば見かける光景ですね。実際にパーソナルドクターはどのような対応をするのですか?

松田先生:やはり人間ドックや健康診断を活用することが大切です。生活習慣病の兆候を放置すると脳卒中、心疾患といった重大な病気になってしまいます。パーソナルドクターはあらゆる状況を検討し生活習慣の改善プランを組んでいきます。しっかり時間を取って網羅的に説明し生活スタイルに落とし込んで行いきます。

ーー予防医学に興味を持ったのはどんなきっかけがありましたか?

松田先生:消化器内科医として診療に当たっていた際に、健診異常を放置し、数年たった後に悪性腫瘍が見つかるケースを多く経験しました。早めに受診すれば結果が変わったかもしれないと考えることがありました。自覚症状が無いことも多く、年齢的に若くても注意が必要だと感じ始めました。

ーー高齢化が進んでいく時代だからこそ予防医学はこれからの時代本当に大切になっていきますね。職場領域でもしばしば経験することです。産業医を始めたこともここに関連していますか?

松田先生:自分の中でより予防医療を追求したとき、病院に来る前にサポートができる職場の医師である「産業医」の活動の重要さに気が付きました。

ーーパーソナルドクターと産業医両方やっているメリットはありますか?

松田先生:パーソナルドクターで身に付けた経験や知識も多く、産業医活動に活きています。就業判定を行い、必要に応じて面談を実施し、保健指導でアドバイスを行います。職場で予防医学の考え方を活用し休職や病気になって倒れる前に少しでも支援を行いたいですね。

ーーパーソナルドクターとしての経験が保健指導でも役に立っていますね。職場全体に対しては産業医としてどのようなアプローチを行っていますか?

松田先生:職場全体へのアプローチとしては衛生講話を通じて衛生意識の向上に努めています。最近では健康診断結果の見方や喫煙に関して講話を実施しました。この分野は健康経営の分野でも注目を浴びていますね。

ーー産業医をしている時に大切にしていることはなんですか?

松田先生:まずは企業の担当者とのコミュニケーションを意識しています。特に社会人としてのスピード感は大切にしています。素早いレスポンスで返事をすることで相談しやすい雰囲気を作るように意識しています。医療職という職場とは異なるポジションにいるので、最初はお互いの様子を探り探りになることが多いです。少しでも早く良好な関係を作ることができるようにしています。

ーー先生は消化器内科を専攻されていたとのことでしたが、現在の仕事に繋がっている部分はありますか?

松田先生:基本的には産業医として職場の健康関することにはすべてに対応していますが、専門分野が活きているのは飲酒や肝機能でしょうか。特に保健指導で飲酒に関して相談を受けることは多いですね。

ーー職場の担当者の方々に対して対して伝えたいメッセージはありますか?

産業医の先生と上手に関係性を作っていくことが大切です。医学や職場の健康問題に関わることであれば気軽に相談するとよいと考えます。担当者の方の中には産業医が医師ということもあり変に粗相があってはいけないと思ってしまうかたもいるかもしれません。しかしながら、産業医はプロなのでうまく答えを導いてくれます。せっかく選任しているのですからしっかりと活用していただくとよいでしょう。

ーー最後にこれから予防領域や産業保健領域に興味を持っている方に一言お願いします。

松田先生:実際に現場に入ってみないと産業医の実態がわかないかもしれません。しかしながら、産業医は病院に来る前に活躍する重要な立場です。世の中では健康経営も進んで行き、産業医・予防医療の重要性は増していきます。産業医の仕事の社会的な意義も今後はますます大きくなっていき、やりがいも増していくと思います。興味のある方はぜひ産業保健の世界の門を叩いていただければと考えます。

ーー本日はインタビューに応じて頂き大変ありがとうございました。大変貴重な話を聞くことができました。また、松田先生にパーソナルドクターや産業医の業務を依頼したい際はあいち松田産業医事務所のホームページよりご連絡ください。

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