産業医自身がポータルサイトを作ってしまった理由とは!?産業医インタビュー「産業医の横顔」vol.1角田拓実

産業医インタビュー「産業医の横顔」vol.1角田拓実

Profile:愛知つのだ産業事務所株式会社代表取締役。産業医、博士(医学)、労働衛生コンサルタント(保健衛生)、健康経営エキスパートアドバイザー。愛知医科大学医学部を卒業し臨床研修を修了した後、同大学大学院にて病理学を専攻。職場の健康管理に注目し産業医の道を志し、合同会社つのだ産業医事務所を設立。株式会社豊田自動織機専属産業医を経て、現在では愛知県を中心に50事業所以上の産業医として活躍している。同社が運営する保健師と産業医を組み合わせた「レンタル産業保健室」も人気を集めている。

ーーよろしくおねがいします。記念すべき第1回は編集長自らインタビューということで、いろいろ質問を行っていきます。インタビュアーはさんぽちゃーと編集部員が担当させていただきます。

角田:「さんぽちゃーと」編集長をしてる産業医の角田拓実です。よろしくお願いします。

ーー普段は産業医業務を行っていますが、なんで今回は「さんぽちゃーと」を立ち上げたのですか?

角田:やはり巡視や営業などで様々な事業所にお伺いした際に担当者の方が「産業保健職(=産業医or保健師)が何をしてくれるかわからない」、「実際に導入して何が起きるのかわからない」、「そもそも仕組みが分からない」といった疑問を頂くことが多かったです。「専門家がクライアントさんに話すようなしゃべり口で説明を行ったサイトがあると便利だな」と思ったことがキッカケです。

ーー他にも色々な産業保健サイトがあると思いますが違いは何かるのですか?

角田:従来のサイトは教科書的、網羅的な内容で充実した記載のあるページが非常に多かったです。一方で、「現場の担当者や衛生管理者がこれってどうなの?」「この疑問は質問してもいいものなのか?」といった疑問点を探していくのは大変な状況だと考えています。

そういった場合は担当者の方は悩みながら産業医に相談するのですが、実際に担当者の方とお話しするときに質問してよいかわからず緊張したというコメントを頂いたこともありました。これは私がリラックスさせてあげられなかったことも一因ですが(笑)。

ーー産業医もしっかり担当者をリラックスさせてあげることも大切ですね。「さんぽちゃーと」ならではの特徴はありますか?

角田:まずは専門家が実際に疑問点や悩みを抽出してクライアントさんにお話しするような解説を心がけているところです。書面での産業医巡視のような印象ですね。また、産業医以外にも産業保健師、理学療法士、管理栄養士など職場の健康管理に携わり実務経験が豊富な専門職に記事の作成を依頼しています。

ーー多職種が連携してサイトを作成しているんですね。理学療法士も参加しているのは意外でした。

角田:理学療法士は最近こちらの業界では非常に注目が集まっているんですよ。14次防(※)でも職場での転倒・腰痛対策は重点項目に上がってきています。運動の専門家である理学療法士が職場で運動指導を行っていくことで、職場での体への負荷や痛みを低減して充実して働くことができるようになるでしょう。国としては補助金も発表しています。こういった情報も発信していきたいですね。

※14次防…第14次労働災害防止計画の略。国が5年ごとに労働災害や職場の健康管理に対して指針を示している。

ーープレスリリースにも記載がありましたが、インタビュー記事も充実させていくのですか?

角田:このサイトでは産業医として活動している先生を積極的に取材したいと考えています。先生方の経験や思いを発信することで職場の担当者や衛生管理者に産業医の考え方などが伝わることもあるでしょう。また、産業医の先生自身にとっても宣伝になるかもしれません(笑)

ーー今後の「さんぽちゃーと」への展望はありますか?

角田:まずはしっかりと担当者が困っているであろう問題点にしっかりと回答ができるポータルサイトにしていくことです。現在もありますが投稿フォームから質問を頂き回答の記事を掲載できるようなコミュニケーションも取れるようになるとよいですね。もちろん個人情報に関わる内容に関しては難しいですが。

ーー今回のインタビューで最後に伝えておきたい内容はありますか?

角田:産業医や産業保健職を活用することで職場の健康管理が進んで行きます。従業員が働きやすく生産性が上がっていくのはもちろんですが、担当者にとって職場の管理がしやすくなる効果もあります。ぜひ「さんぽちゃーと」を活用し「産業保健職ってこういう風に相談・活用するといいんだ」と思っていただければ幸いです。

ーー本日はありがとうございました。引き続き「さんぽちゃーと」をよろしくお願いいたします。角田産業医への仕事の依頼は下記のリンクからホームページにアクセスしてみてください。