労働安全衛生法って何?産業医が会社担当者に基本を説明します。

労働安全衛生法って何?産業医が会社担当者に基本を説明します。

「労働安全衛生法」…この言葉を聞いて、どんなイメージを持つでしょうか? 難しい法律、会社だけの問題、自分には関係ない…?

実は、この法律は、私たちが安全で健康に働き続けられるために、とても重要な役割を担っています。 2020年には、パワーハラスメント対策の強化など、時代の変化に合わせて改正もされています。

この記事では、労働安全衛生法の基本的な内容から、会社が守るべき具体的なルールをわかりやすく解説していきます。

仕事中の事故や病気から身を守るため、そしてより働きやすい環境を作るために、ぜひ最後まで読んでみてください。

労働安全衛生法の基本と目的について知っておきたいこと

「労働安全衛生法って、なんか難しそうな名前…」 「会社で働いているけど、どんな法律なのかよくわからない…」そう思っている方もいるかもしれません。

労働安全衛生法は、働く人みんなが安全で健康に働けるように作られた法律です。 今回は、この法律の基本的な内容と目的について、わかりやすく説明していきます。

労働安全衛生法の概要と制定背景

労働安全衛生法は、働く人が仕事中の事故や病気から守られ、安全で健康に働けるように、1972年に制定されました。

この法律が作られた背景には、高度経済成長期における労働災害の増加がありました。 当時の日本では、工場でたくさんの製品が作られていましたが、働く人の安全を守るためのルールが十分ではありませんでした。 そのため、機械を使った事故や、長時間労働による病気で苦しむ人が後を絶たなかったのです。

これを改善するために、働く人の安全と健康を守るための法律、つまり「労働安全衛生法」が作られたのです。

法律の目的と企業への意義

労働安全衛生法の目的は、大きく分けて2つあります。

1つ目は、労働災害の防止です。 労働災害とは、仕事が原因で起こる事故や病気のことです。 例えば、工場で機械に巻き込まれたり、オフィスで重い荷物を持って腰を痛めたり、といったことが労働災害に当たります。

この法律では、事業者(会社)に対して、職場での危険をなくすための対策や、労働者に安全教育を行うことなどを義務付けています。 会社は、工場に安全装置を取り付けたり、社員に正しい荷物の持ち方を教えたりして、労働災害を防がなければなりません。

2つ目は、労働者の健康の保持・増進です。 仕事をする上で、心身ともに健康であることはとても大切です。 長時間労働や、人間関係のストレスなどによって、うつ病などの精神疾患を発症するケースも少なくありません。

この法律では、事業者(会社)に対して、労働者の健康を守るための対策を講じるよう義務付けています。 具体的には、定期的な健康診断の実施や、労働時間管理、職場環境の改善などが挙げられます。

企業にとって、労働安全衛生法を遵守することは、単に罰則を避けるためだけではありません。 労働災害を減らし、労働者の健康を守ることによって、従業員のモチベーションや生産性の向上、企業イメージの向上など、様々なメリットがあります。

会社担当者が知るべき遵守事項

会社で働く人の安全と健康を守るために、会社側が守らなければならないルールが、労働安全衛生法にはたくさん定められています。

会社で働く人の安全と健康を守るために、会社側が守らなければならないルールをいくつかご紹介します。

事項内容
危険の防止機械や設備の安全点検、整理整頓、危険な場所への柵の設置など、事故が起こらないよう対策をすること。
健康管理定期健康診断の実施、長時間労働者の医師による面接指導など、労働者の健康状態を把握し、必要な措置を講じること。
安全教育の実施職場での安全に関する知識や、事故防止のための行動などを、労働者に教育すること。
労働時間の適正な管理労働時間の上限規制、休憩時間の付与など、労働者の健康を損なわないよう、労働時間を適切に管理すること。
職場環境の改善暑さ・寒さ対策、騒音・振動対策など、労働者が快適に働けるよう職場環境を整備すること。
メンタルヘルス対策ストレスチェックの実施、相談窓口の設置など、労働者の心の健康を守るための取り組みを行うこと。
労働災害発生時の適切な対応労働災害が発生した場合には、速やかに必要な措置を講じ、再発生防止策を立てること。

これらのルールを守らないと、法律違反として罰せられる可能性があります。

労働安全衛生法は、私たちが安全で健康に働くために、とても大切な法律です。 そして、この法律は、時代に合わせて少しずつ変わっていくこともあります。

情報収集ができる信頼できる資料や機関

より詳しく知りたい場合は、以下の資料や機関を参考にしてみましょう。

  • 厚生労働省のウェブサイト: 労働安全衛生法に関する最新の情報や、わかりやすい解説資料が掲載されています。
  • 都道府県労働局: 労働安全衛生法に関する相談窓口があり、専門の職員からアドバイスを受けることができます。
  • 労働基準監督署: 労働条件に関する監督や、労働災害の防止に関する指導を行っています。
  • 日本産業衛生学会: 産業医や衛生管理者など、労働衛生に関する専門家の団体です。

これらの資料や機関を利用することで、労働安全衛生法に関する正しい知識を身につけることができます。 そして、自分自身や職場の仲間を守るために、積極的に活用していくことが大切です。

まとめ

労働安全衛生法は「労働者の血で書かれている」と表現されることもります。過去の労災事例やトラブルを参考に更新され続けけてきました。

内容を確認していくこと、また守っていくことで基本的な労働災害を防止していくことが可能です。

法律の条文ということで読みにくい部分もあるかと思われますが当サイトではしっかりと内容を説明していきますのでぜひチェックしてみてください。