産業保健スタッフの導入で期待できることTOP3は『メンタルヘルスの安定』『休職・離職の減少』『人間関係の改善』
愛知つのだ産業医事務所株式会社(所在地:愛知県日進市、代表者:角田 拓実)は、保育士を対象に「保育士の働き方」に関する実態調査を行いました。
保育士として働き、子どもたちの成長を支える喜びを感じつつも、働き方や労働環境などの問題で悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
保育士を「辞めたい」と思った方はどのくらいいるのでしょう。
そして、どのような理由で「辞めたい」と思ったのでしょう。
そこで今回、産業保健ポータルサイト「さんぽちゃーと」(https://sampo-chart.com/)を提供する愛知つのだ産業医事務所株式会社(https://tsunoda-sangyoui-office.com/)は、保育士を対象に「保育士の働き方」に関する実態調査を実施しました。
調査概要:「保育士の働き方」に関する実態調査
【調査期間】2024年8月20日(火)〜2024年8月21日(水)
【調査方法】リンクアンドパートナーズが提供するPRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】1,019人
【調査対象】調査回答時に保育士であると回答したモニター
【調査元】愛知つのだ産業医事務所株式会社(https://tsunoda-sangyoui-office.com/)
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
保育士の勤務時間や仕事の満足度について
はじめに、「残業を含む一日の平均勤務時間を教えてください」と質問したところ、『8時間~10時間未満(58.8%)』と回答した方が最も多く、次いで『8時間未満(19.9%)』『10時間~12時間未満(17.9%)』『12時間以上(3.4%)』となりました。
半数以上の方が「8時間~10時間未満」と回答しましたが、10時間以上働いている方も約2割いることが明らかになりました。
「現在の仕事への満足度はどれくらいですか?」と質問したところ、『非常に満足している(15.3%)』『ある程度満足している(48.1%)』『あまり満足していない(29.2%)』『まったく満足していない(7.4%)』という結果になりました。
「非常に満足している」と「ある程度満足している」をあわせると、6割以上の方が満足しているようですが、満足していない方も一定数いることが示されました。
満足している理由と満足していない理由について具体的にうかがいました。
■ある程度満足している・非常に満足していると回答した理由
・職場環境が快適なため(30代/女性/北海道)
・休みが比較的とれる(30代/女性/東京都)
・作品作りが大変だが楽しいし子どもがかわいい(30代/女性/福井県)
・福利厚生がちゃんとしている(40代/女性/群馬県)
・成長を感じるから(50代/女性/静岡県)
■あまり満足していない・まったく満足していないと回答した理由
・家に帰っても仕事、休日も仕事、休まる時があまりにも少ない(30代/女性/静岡県)
・保護者対応が負担(30代/女性/東京都)
・保育士の人数が足りない(30代/女性/千葉県)
・人間関係がめんどうくさい(30代/女性/福岡県)
・自分が描いていた保育ができない(40代/女性/福岡県)
休みがとれていることや、福利厚生の充実など、職場の環境が整っているため満足しているという声が寄せられた一方で、時間外労働や人手不足、人間関係の悩みなどが解消できず不満を感じている方もいました。
保育士が満足して前向きに働くためには、ワークライフバランスがとれる働きやすい環境を整備する必要があるようです。
8割以上が保育士を辞めたいと考えたことがあると回答
「保育士を『辞めたい』と考えたことはありますか?」と質問したところ、8割以上の方が『ある(86.5%)』と回答しました。
「ある」と回答した方に、辞めたいと考えた理由をうかがいました。
「保育士を辞めたいと考えた理由を教えてください(複数選択可)」と質問したところ、『労働環境の悪さ(47.7%)』と回答した方が最も多く、次いで『給与や待遇に不満(47.0%)』『人間関係の問題(45.3%)』となりました。
「労働環境の悪さ」「給与や待遇に不満」「人間関係の問題」がそれぞれ4割以上と、いろいろな問題が関係していることがうかがえます。
7割以上が経験したメンタルの不調、職場に相談できる環境は?
「仕事の悩みからメンタルの不調を起こした経験はありますか?」と質問したところ、『何度もある(37.5%)』『一度だけある(40.0%)』『一度もない(22.5%)』という結果になりました。
「何度もある」と「一度だけある」をあわせると、7割以上の方がメンタルの不調を経験していることが明らかになりました。
「職場に健康問題に関して相談できる環境はありますか?」と質問したところ、6割以上の方が『ある(62.1%)』と回答しました。
相談できる環境がある職場の方が多いですが、相談できない環境で働いている方も3割以上いることが明らかになりました。
保育士に向けた産業保健スタッフの導入について
「心身の健康管理サポート体制が整っている保育園で働きたいと思いますか?」と質問したところ、『とても思う(38.0%)』『やや思う(40.9%)』『あまり思わない(16.9%)『まったく思わない(4.2%)』という回答結果になりました。
「とても思う」と「やや思う」をあわせると、7割以上の方が心身の健康管理サポート体制が整っている保育園で働きたいと思っていることが明らかになりました。
「適切な健康管理・サポートをしてくれるのであれば、保育園に産業保健スタッフを導入してほしいと思いますか?」と質問したところ、『とても思う(40.8%)』『やや思う(45.4%)』『あまり思わない(11.3%)』『まったく思わない(2.5%)』という回答結果になりました。
「とても思う」と「やや思う」をあわせると、8割以上の方が適切な健康管理・サポートをしてくれる産業保健スタッフを保育園に導入してほしいと感じていることが明らかになりました。
「心身の健康管理サポートを対応する産業保健スタッフの導入は、どのようなことが期待できると思いますか?(複数選択可)」と質問したところ、『メンタルヘルスの安定(59.3%)』と回答した方が最も多く、次いで『休職・離職の減少(58.7%)』『人間関係の改善(43.7%)』となりました。
保育園に産業保健スタッフが導入され、心身の健康管理をサポートしてもらえることで、メンタルヘルスの安定だけでなく、休職・離職の減少や人間関係の改善も期待ができると感じているようです。
まとめ
今回の調査で、8割以上の方が一度は保育士を辞めたいと考えたことがあることが明らかになりました。
6割以上の方は、休みをとれたり福利厚生が充実していたりと職場環境が整っているので仕事に満足していますが、3割以上の方は時間外労働や人手不足などによって満足できる働き方ができていないことが示されました。
約7割の方が仕事の悩みからメンタルの不調を経験していますが、3割以上の方は職場に健康問題に関して相談できる環境がない状況で働いているようです。
心身の健康管理サポート体制が整っている保育園で働きたいと考えている方は7割以上で、保育園に産業保健スタッフを導入してほしいと思っている方も8割以上という結果となりました。
現場で働く保育士の多くが、心身の健康管理サポート体制の整備と産業保健スタッフの導入を望んでいることが示されました。
保育園に産業保健スタッフが導入されることで、メンタルヘルスの安定や休職・離職の減少も期待でき、保育士が仕事に満足し前向きに働くことができるようになるのではないでしょうか。