新入社員の面談は産業保健師が適任!その効果や適切なタイミングとは?
学生から社会人への変化に順応できず、心身の不調をきたしている新入社員は多くいます。よって、新入社員の健康管理は、企業にとって重要な課題です。
そこで、新入社員の心身の健康を守るために、企業に設置された産業保健師による面談を実施する必要があるでしょう。
この記事では、産業保健師による新入社員面談の必要性や効果、正しいタイミングについて詳しく解説します。新入社員の面談について悩みがある企業の方は、ぜひ参考にしてください。
新入社員面談の必要性とは
新入社員は、学生から社会人への大きな環境の変化に直面しています。緊張や仕事に慣れること、人間関係のストレス、通勤ストレスなど、心身ともに疲弊する1年間です。
この変化に適応できずに心身の不調をきたし、新入社員の早期離職につながるケースも稀にあります。
そこで、適切なタイミングで新入社員面談を実施することが大切です。産業保健師を中心とした、産業保健チームによる必要なサポートを提供することで、さまざまな問題を早期に解決できます。
産業保健師による新入社員面談の効果
産業保健師が新入社員の面談をすることの効果について、主に以下の4つが挙げられます。
- 早期離職の防止
- 心身の不調を早期に発見
- さまざまな不安や疑問の解消
- 産業医と連携した適切な対応
一つずつ詳しく解説します。
早期離職の防止
産業保健師による面談は、新入社員の不安や悩みを早期に把握するきっかけとなります。
その場で適切な対応ができるうえに、面談後に個人に合わせたサポートを提供することで、早期離職のリスクを軽減します。
面談をおこなわなければ、早期に不安や悩みを把握することができず、新入社員が突然退職するという状況に陥るかもしれません。
そのため、産業保健師が適切なタイミングで面談を実施すれば、早期離職につながる個々の問題を解決できる可能性が高まります。
心身の不調を早期に発見
専門的な知識を持つ産業保健師が面談を行うことで、新入社員のメンタルヘルスの問題や身体的な不調を早期に発見し、適切な対応につなげることができます。
特に、心の不調は本人の気づかないうちに進行している場合があるのです。社員の身近な存在である産業保健師が、新入社員一人ひとりの様子を観察し、いち早く不調を見つけ出すことが大切となります。
不調がある新入社員がいれば、産業医につなぎ、心身の不調に適切な対応をしてもらいます。もし、産業医が会社にいない場合は、以下の記事を参考にしてください。
さまざまな不安や疑問の解消
新入社員が仕事や職場環境に関する不安を解消することで、モチベーションの維持やスムーズな職場適応を促進します。
新入社員は、仕事に慣れない不安や上司からの厳しい指導に対するストレス、通勤や残業のストレスなど、さまざまな不安や悩みを抱えて働いているのです。
万が一、人事や総務などの担当者が面談した場合、専門的な傾聴スキルや解決に向けた対応を持っていなければ、不安や悩みの解消は難しいかもしれません。す。
新入社員面談を実施する適切なタイミング
新入社員が入社してから数ヶ月経った頃に、新入社員全員を対象として面談を実施すると良いでしょう。そのほかに、新入社員一人ひとりの様子を見て、産業保健チームから声をかけて面談を実施すると良い場合があります。
時期や場面別に、面談実施に適したタイミングを解説します。
5月〜6月頃の精神的な不調が現れやすい時期
一般的に、5〜6月頃は5月病ともいわれるように、精神的な落ち込みや不安定さが現れやすい時期です。ここで、新入社員の面談を実施するのが適切なタイミングです。
新入社員が入社後2〜3ヶ月経過した頃は、初期の緊張感や高揚感が落ち着き、現実的な課題に直面します。
例えば、周りの同期と比較して自己嫌悪になったり、業務の忙しさや上司の厳しい指導に挫けてしまったりといった状況です。
この時期に面談を実施することで、精神的な不調を早期に発見できます。
遅刻や欠席が増加してきた場合
遅刻や欠席の増加は、メンタルヘルスの不調が現れてきている可能性があります。心身の不調や職場適応の困難さが現れている兆候かもしれません。
無断欠勤や長期の欠勤が続いてしまうと、そのまま早期離職につながるリスクがあるでしょう。
このような変化が見られた場合、すぐに面談を実施することが大切です。
集中力の低下やパフォーマンスの低下
集中力の低下やパフォーマンスの低下は、メンタルヘルスの不調が隠れている可能性があります。
業務の質や量に低下が見られる場合、背景にある問題を把握するために面談を実施しましょう。
精神的な不調のほかにも家庭の問題や、入社前に抱いていた期待と実際の業務に対するギャップによる意欲の低下などがあります。
問題や原因を把握し、適切なサポートができるように面談を実施します。
身なりや態度の変化
身だしなみが乱れたり、挨拶や返事などの反応が乏しかったりする場合は、メンタルヘルスの不調を抱えている可能性が高いといえます。
特に、仕事中にボーッとしている様子がみられたり、周りからの声がけに反応が乏しかったりしていると、休養が必要になるケースもあります。
新入社員の変化にいち早く気づき、早めに面談を実施するようにしましょう。
産業保健師面談と産業医面談の違い
産業保健師は、より従業員に身近な存在として相談しやすいことが強みであり、企業と産業医のコーディネーターとしての役割を果たします。
産業保健師による面談は、日常的かつ予防的な健康管理を目的として実施されます。必要に応じて産業医面談へのつなぎ役としての役割も果たします。
新入社員が抱える仕事の悩みだけではなく、家庭の事情やプライベートな悩みまでフォーカスし、総合的に社員の健康を考える存在といえるでしょう。
一方、産業医の面談は、より専門的な医学的判断や治療方針の決定が必要な場合に行われます。
つまり、産業保健師と産業医の面談は、主な目的に違いがあるのです。しかし、お互いに連携し、社員の心身の健康を守るという点は共通した目的となっています。
まとめ:産業保健師の面談によって新入社員の健康を守りましょう!
産業保健師による新入社員面談は、心身の健康維持や早期離職防止、職場適応の促進など、多くの効果をもたらします。
適切なタイミングで面談を実施し、新入社員の健康と成長することを支援することは、企業の発展にもつながります。
人事担当者と産業保健師、産業医が互いに連携し、産業保健チームとなって新入社員の健康を守り、働きやすい職場環境づくりに取り組みましょう。