季節の変わり目に気をつけたいビジネスパーソンのための栄養管理〜冬に向けた健康維持のポイント〜
こんにちは。管理栄養士の内海弥生です。
夏が終わり少し涼しくなってきた頃ですが、季節の変わり目はどのようにお過ごしでしょうか?
季節の変わり目は、体調を崩しやすい時期です。
秋から冬にかけては、急な気温の変化や日照時間の減少によって体への負担が大きくなり、免疫力が低下しやすくなります。
しっかりとした栄養管理を行い、体調を整えることが、冬を元気に乗り切るための重要なポイントです。
今回は、健康維持のための具体的なアドバイスをご紹介します。
季節の変わり目に感じる体の負担とは?
季節の変わり目は体温調節や自律神経に影響を与えるため、疲労感やだるさを感じやすく、免疫力の低下が懸念されます。
・気温の低下
大幅な気温の変化は体が温度調節に追いつかず、体調不良を起こしやすくなります。
・日照時間の減少
冬に向けて日照時間が短くなることで、セロトニンやビタミンDの生成が減少し、気分の低下や免疫力の低下につながることがあります。
・乾燥
冬の乾燥した空気は、肌や喉を乾燥させるだけでなく、体内の水分が失われやすく、体調が優れない原因となります。
肌や喉が乾燥したり、体内の水分が失われ体調が優れない日が続くことで、病気での欠勤や集中力・仕事の生産性の低下を招くことにつながります。
これらを予防するには、体を内側からサポートする栄養管理が必要です。
どのように対策をする?冬に向けて免疫力を高める栄養素
冬に備えて体調を整えるためには、免疫力を高める栄養素を積極的に摂ることが大切です。
次に免疫力を高めるために大切な栄養素と、それを含む食材をご紹介します。
ビタミンC
ビタミンCは、免疫細胞を活性化し、体内のウイルスや細菌と戦う力を高めます。
また、抗酸化作用も風邪予防に効果的です。
《含まれる食材》
柑橘類(みかん、レモン)、ブロッコリー、パプリカ、キウイフルーツなど
ビタミンD
日照時間が減少することで不足しがちなビタミンDは、免疫機能を調整し、風邪やインフルエンザなどの感染症を予防する働きがあります。
日照時間が短縮することで、体内のビタミンDが不足しやすくなるため、食品から摂ることを意識することが必要です。
《含まれる食材》
魚類(鮭、イワシ)、卵黄、キノコ類(しいたけ、まいたけ)など
鉄分
鉄分は酸素を運ぶヘモグロビンの成分であり、不足すると貧血を進行させ、疲労を感じさせやすくします。
冬は冷えやすいため、血行を促進するためにも体を温めることはもちろんのこと、鉄分をしっかり摂ることが大切です。
《含まれる食材》
赤身の肉、レバー、ほうれん草など
亜鉛
亜鉛は免疫機能をサポートするだけでなく、代謝を活性化し、風邪を予防する効果があります。
体が寒さに対応するために、新陳代謝を高め、エネルギーを効率的に使うことが重要です。
《含まれる食材》
牡蠣、カボチャの種、牛肉、チーズなど
体を温める食材で冷え対策
冷えは免疫力の低下とつながり、風邪や冬インフルエンザのリスクを高めます。
体温が1度下がると免疫力は約30~40%低下すると言われています。
また、代謝は12〜13%低下すると言われています。
冬に向けて今のうちから体を内側から温める食材を積極的に摂ることが、風邪やインフルエンザなどの病気にかからず、健康的に働く上で必要となります。
生姜
血行を促進すると言えば、王道の生姜。
生姜は血行を促進し、体を温める効果があります。
温かい生姜湯や、生姜を使った料理を取り入れてみることをおすすめします。
根菜類
レンコンやニンジン、大根、ごぼうなどの根菜類は、体を温める働きがあるため、冬の煮込み料理や鍋料理、スープなどに最適です。
シナモン
シナモンは香りも楽しめるスパイスで、体を温める効果が期待できます。
シナモンティーやシナモンを加えたデザート、ホットミルクにシナモンを入れる飲み物は、寒い時期の間食にぴったりです。
冬に向けた食生活のポイント
冬を健康的に過ごすためには、食生活全体を見直すことも重要です。
忙しいビジネスパーソンでも栄養バランスを考え、定期的に正しく食事を心がけることが季節の変わり目の体調管理につながります。
朝食をしっかり摂る
冬の寒さで朝がつらく感じることもありますが、朝食をしっかり摂ることが一日のエネルギー源として重要になります。
温かいスープや味噌汁のような体を温める食事を摂ることで、体の内側から温まることができます。
寒い朝でも温かい食事を摂ることで活動的になれます。
タンパク質をしっかり摂る
筋肉や免疫力の向上には、良質なタンパク質を摂ることが大切です。
魚、肉、豆類、卵など、バランスよくタンパク質を摂取することで、体力を維持しやすくなります。
温かい飲み物を積極的に
寒い季節には、水分補給が疎かになりがちですが、温かい飲み物をこまめに摂ることが重要です。
ほうじ茶や紅茶などのお茶やスープ、ハーブティーなど、体を温める飲み物を積極的に取り入れて、体の乾燥を予防しましょう。
お茶はお茶でも緑茶は、体を冷やす作用があります。
冬の水分補給には、緑茶よりほうじ茶や紅茶を選択することをおすすめします。
職場でできる冬の体調管理
季節の変わり目に体調を崩しやすいビジネスパーソンにとって、職場での体調管理が重要です。
デスクワークが多い方は、座りっぱなしで血流が滞りやすく、冷えやすい傾向にあります。
職場でできる体調管理をいくつかご紹介します。
定期的なストレッチ
長時間座っていると血行が悪くなり、体が冷えやすくなります。
1時間に1回程度、立ち上がって軽いストレッチをすることで血流を促進し、冷えを防ぎましょう。
温かい飲み物を常備
職場ではコーヒーやお茶を飲むことが多いと思いますが、冷えが気になる方は、ハーブティーや白湯を用意しておくと体を温めやすくなります。
また、お茶でもほうじ茶や紅茶は体を温める作用があるので、これらのティーパックをデスクに常備しておくこともおすすめです。
デスク周りを温める
デスク周りの温度管理も重要です。
ひざ掛けや小型の電気ヒーターを使うことで、冷えによる血行不良を避け、仕事の集中力を維持しやすくなります。
季節の変わり目の体調管理こそが、健康に働くための鍵
季節の変わり目に適切な栄養管理を行うことで、冬に向けた体調管理をスムーズに進めることができます。
免疫力を高める栄養素を意識的に摂取し、冷え対策をしっかり行うことで、体を内側からサポートし、寒い季節を元気に乗り切りましょう。
ビジネスパーソンにとっても、仕事のパフォーマンスを維持するためには、季節に応じた体調管理が欠かせません。
健康経営として、栄養管理や職場環境の整備をすることで、従業員が健康に働ける環境を整えることが、企業全体の生産性向上につながります。