
オフィスでも油断大敵!―― 熱中症対策ガイド(さんぽだより 7月号)
蒸し暑い季節がやって来ました。
「屋内勤務だから安心」と思いがちですが、エアコンの届きにくい場所や湿度の高い会議室では、職場でも熱中症のリスクが潜んでいます。社員の健康を守ることは、安全配慮義務だけでなく企業価値の向上にも直結します。ここでは さんぽだより 7月号 の内容を基に、産業医の視点から実践的なポイントを整理しました。
目次
1 | 熱中症とは
高温多湿環境で体温調節が破綻し、体に熱がこもった状態です。めまい・立ちくらみ・頭痛などの初期症状が見逃されると、救急搬送や重篤化につながる恐れがあります。特に以下の条件が重なるとリスクが急上昇します。
- 気温28 ℃以上かつ湿度60 %以上
- 連日の残暑で体が暑熱順化できていない
- 水分・塩分補給を後回しにする働き方
2 | オフィスで熱中症が起こる4つの盲点
盲点 | なぜ危険か | 具体例 |
---|---|---|
空調の偏り | サーバールームや窓際は温度が高め | 打合せ室が30 ℃を超えている |
高湿度 | 発汗が蒸発せず体温が下がらない | 休憩室の加湿器の過剰使用 |
服装規定 | 通気性の悪い制服が熱をこもらせる | 合成繊維のワイシャツ |
自己過信 | 軽い不調を「まだ大丈夫」と放置 | 軽度の頭痛で仕事を続行 |
3 | 産業医が勧める4つの基本対策
- こまめな水分補給
- 「のどが渇く前」に補給を徹底
- 目安:1 日あたり1.2 L以上の水分
- 服装の工夫
- 通気性・吸湿性の高い素材を採用
- オフィスカジュアル化やクールビズの徹底
- 室温・湿度の管理
- 目標:室温28 ℃以下、湿度60 %以下
- 温湿度ロガーでリアルタイム確認
- 体調チェックと声かけ
- 「いつもと違う」症状を見逃さない
- ミーティング前後にアイスブレイク感覚で体調を確認
4 | リスクの高い従業員へのサポート
- 高齢者・持病持ち:月次健康面談で早期アラート
- 屋外作業も行う社員:WBGT指数に応じた休憩計画
- 夜勤者:昼夜逆転による暑熱順化不足への留意
まとめ
熱中症対策は「自己管理頼み」では不十分です。社員のわずかな変化に気づき、職場環境を整える仕組みを持つことこそ企業の責務。サンポチャートは、労働衛生コンサルタント産業医と保健師の専門チームで、御社の“夏の安全管理”を全面的にバックアップします。お気軽にご相談ください。
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